第106話記憶の欠片
「ただいま」 俺が元俺の部屋に飛ぶと、そこにはルイが待っていた。
「おかえり、早速本題に入って良いかな?」
「ああ、それで、ルイ程の人間が俺を必要とするのはなぜだ?正直思い当たる節がない」
「鑑定ってあるよね、あれは範囲をしぼれば詳細に鑑定を行ってくれる物だ。そこで君には全く勝てない要素がある。思考って言う。項目なんだけどね、習得や成長速度や魔術の使用時にも関わってくる要素なんだけど」
思考は唯一俺でも他に勝るステータス項目である。
「そこでだ、この間ようやく、存在の根源付近まで近づけてね。そこで手がかりらしき記憶の欠片っていう結晶を手に入れた訳だ。だが残念な事にこの欠片を見るためには、力不足。そこで君にこいつを見てもらいたい訳だ。運がよければその欠片の持ち主の魔術を習得だって出来るかもしれない。悪い話ではないだろ?」
「了解だ。で? おれはこれをどうすれば良い?」
「覗き込むだけで良いさ、思考さえ足りれば勝手に見えてくるはずさ。手に入れた魔術は黙ってていいけど、その欠片の中の出来事は可能な限り詳細に教えてね」
魔術を習得できるかもしれない欠片、本当にRPG染みて来たな。とりあえずやるだけやるか。俺は欠片を覗く。その瞬間、体から力が抜け、目の前が暗くなった。
なんだここ?気が付いたら戦地というのがしっくり来る場所に来ていた。多分欠片の中の記憶だろう。
周囲を見渡すが生存者は二人だけ、しかも片方は虫の息だ。虫の息のナイスミドルなおじ様と黒髪の綺麗に全振りしたような美人。
ん?良く見るとあの美人ルイに何処と無くだがパーツが似ている所が・・・あれが息子・・・確かに執事服だが、背中まで髪あるし・・・女性ですよね?
「我が友よ、最後の願いだ聞き届けてはくれぬか。お前が払う対価が支払い終える前に託したい」
おじ様がなんかいってる。対価ってなんぞ? とりあえず、事を見守ろう。
「馬鹿者、最後泣く奴があるか。我が娘を頼む。平穏と幸があらんことを」
まぁ纏めるとこうだ、このおじ様はこの戦地だった場所の精霊で王様? この美人はアリアって名前で部下でもあり友達のような側面もあるようだ。
このアリアって美人がとりあえず敵の殲滅までは済ませているっぽいけど、まだまだ敵が多いようだ。そこでおじ様が自分を生贄にして異世界に飛ばす魔術を使い、アリアと自分の娘を封印した宝石を別世界に飛ばしたと。
これがルイが求めてたものなのだろうか?・・・痛い、何か情報が一気に頭に・・・痛い痛い痛い痛い嗚呼嗚呼アアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああ頭が割れる、激痛の中また俺は意識を落とした。
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