第102話妖精の楽園
おお・・・ここは楽園だろうか?この可愛らしいコボルトが沢山いると思っていたが、他にもいた。ケントッシー?猫っぽいなにかがそこにはいた。
撫で回したい衝動に襲われるが、それをやってはいけない。あとあれだ、どう見てもフェアリーがいる。これはどういう場所なんだろう。
「ここはどういう場所なんだ?」
「ここは弱者の楽園でつ、妖精族以外の者は許可なく入れないでつ。問題は食べ物があまり無いから、取りに行く必要があるくらいでつ」
自生する植物だけではそりゃ足らないだろう。
「ここには人に売れそうな物はないのか? あれば食料と交換するが」
この無邪気そうな連中は、外に出れば人間の良い鴨でしかない。ならばここで、貯めた物資を吐き出しても良いだろう。無論タダではダメだが。
「少し待ってるでつ」そういって言ってしまった。しばし待つと、白い林檎のような物をもって戻ってきた。
「これは妖精の実とかよばれてるでつ、人間はコレを薬にするとかで欲しがるでつ」
鑑定してみるか。
妖精の実・・・妖精達の結界など特殊な魔力の力場でしか育たない林檎。味はイマイチ、生成すると強力な回復薬になる。
確かに人間は欲しがりそうだな。
「確かに欲しいな、俺にうってくれるかい?」
「みんなに聞いてくるでつ」
また走り去ったのは予想通りだ。ただ違ったのは、戻ってくる時に大量の仲間と一際でかい、人間の子供サイズのフェアリーが付いてきた事くらいだろうか。
子供サイズの妖精は、俺を品定めするかの様に見回した。
「いいわよ、合格なのだわ」
何か知らないが合格したらしい。
「さてなにがあるのかしら、人間さんは私達になにをくれるの?」
食料の種類提示しろって事なのかね?
「その実の対価にとりあえずこれ等を」
空間庫から食料を出していく、蜜、小麦粉、塩、加工肉、ドライフルーツ、香辛料。後はパンなど出来上がったものも出していく、焼き菓子がメインではあるが。
「ひとつ貰っても良いかしら? その茶色いのが気になるわ」クッキーを指差した。
「どうぞ、クッキーという、あまり人の間でも出回らない物です」
妖精・・・これからは態度がでかいから女王としよう、がクッキーをくちに運ぶ。食べている姿は微笑ましい、小動物みたいで。
「いいわ、いいわ、いいわ。本当に素晴らしい。良いでしょう、この実は私達はあまりいらない物。好きなだけ持って行きなさい。代わりにこの子達も喜ぶ物、それが対価です。どれだけ貴方が置いていくかは、良識に任せます」
「では・・・」
俺はここの現状をみてある提案をする事にした。
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