第83話一方その頃
よくもまぁ、これだけ元気良く襲って来る物だ。魔物というものは、いくら相手が格上で、自分の仲間が無為に死んでも、一切闘志を揺らがす事なく襲ってくる。
ある意味安っぽいラノベの主人公のようだ。最近の主流は俺つえええだって? 俺も似たようなもんだ。ただし、明らかに勝てないのがいる、生息地には近寄りもしないから、当然と言えよう。
なにが言いたいかと言うとだ、こいつらもう見飽きた、だ。飽きることなく先方は突撃、突撃、突撃だ。俺達は上に行って、ただ殲滅する簡単なお仕事の繰り返しだ。
「本当、便利よねこの魔術」
「だったらお前等もさっさと覚えろよ」
見た目がロリだから甘やかされると思ったら、大間違いだ。
「この魔術は適性も必要そうですし、中々難しいですね」
「こいつみたいに、投げ出さなきゃ文句はねぇよ」
「私は頑張ってる」
「お前はやってるから問題ない。問題は早々に飽きたミルだ」
そう、その一言だけ言って殲滅に戻る。こいつ、寡黙なんだなと思ったが、最近では面倒だからなのではと思ってきている。
そうして森を抜け、外へついた。平原広がる地へと。
その頃、ダイスを追った脳筋の二人は、疲れ果てた顔をしながら。兵の話は聞いていた。
それもそうだろう、自分達が真っ先に有り得ないと探索を切り捨てた場所を別れた元メンバーが見つけたのだから。
しかも、王都からは探索中止の声もある。
「悔しいけど、あっちが上手だったみたいね」
「全くだ、まさか魔境を通りエルフの村まで行くとは」
「骨折り損のくたびれもうけ、本当あの男には腹が立つ。帰ったら父さんからの小言も確定だし、嫌になる」
「全くだ」
「でもとりあえず、報告に一度帰らないとね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます