第84話別れは唐突に

 最近、レイナの様子がおかしい。個別行動になるとすぐ、念話符を使いたがる。確かに、ルイは俺達からすれば師匠のようなものだ。


 それにしても、少しばかり頻度が多い気がする。向こうも暇ではないだろうし、どうするべきか。



 結局スロートに相談する事にした。



「それなら、放置で良いですよ。折角うまく言ってるのを、邪魔する必要ないでしょう?」



「上手くってのは、あれか? 男女的意味での事か?」



「そうですよ、僕もミルに聞いた時はびっくりしましたが、レイナの一目惚れだとか」



 一目惚れって、見た目小学生なんだが・・・そういう好みなのか。年齢的にはルイが上だし、問題ないか・・・



「僕としては、ダイスと付き合う事になると思ってたんだけど、完全に取り残されてしまいましたね」



 なんか引っかかる物言いだが、まさかな。



 まさかとは思うが、こういうのは確かめた方がスッキリする。



「スロートはモテそうだもんな。しかしさっきの言い方じゃ、ミルにすらいるように聞こえたんだが」



「流石に酷い言いようですよそれ、彼氏は僕ですし。因みに前のメンバーの残り2人もカップルですよ」



 なにそれ、怖い。というより、レイナが今までどんな気分で過ごしてきたか、参考までに聞きたい。次は俺の番なのだから。



「噂をすれば何とやらですよ」スロートが指差す先にレイナがいた。誰か探しているようだ。



 俺を見つけると、こちらに来る。どうやら俺に用があるらしい。



「どうした、何か用か?」



「このパーティーを抜けて、ルイの所に行きたい。ルイの許可は取れた、ダイスが許可をくれればだけど。だからお願い」




 この子らしいな・・・多分許可とか関係なく行ってしまうだろう。ならば気持ちよく送り出す方が良い。



「構わないよ。だが、おれに関する秘密は絶対に守ってくれ。それさえ出来れば、後は好きにすれば良い。ミルにはスロートから言わせるから気にしなくても良い」



「ありがとう」そう行って転移符で行ってしまった。



 やはり、持ってたな。ルイに任せれば問題は無いはずだ。



 そう遠く無い未来。また、ソロになるかもしれないな、これは。寿退社みたいにいなくならないでくれよ。



 今はレイナが上手く行く事を願うとしようか。

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