第62話休息

 朝早くガウは護衛にリュートとスロート、レイナを連れて、王都に向かった。相手を確実に仕留めるそうだ・・・社会的に。


 ミルは察知能力に秀でている事から、村で襲撃が無いか警戒に当たっている。


 門は固く閉ざされているので正直、必要ないような気もしなくは無いが。用心するに越した事はないか。



 そんな事を考えていると、ミルがこちらに向かってくる。



「ダイス、少し良い?」



「どうした? そんなに改まって」少し様子がおかしい。元気が無いというか・・・この小動物のような人物の行動は予想出来ない。




「本当にごめん、私なんであんなに怒るのか、最初は分からなかった。でもスロートやレイナに聞いて、それがやっちゃいけない事だって思ったの。だからごめん」




 急だな、多分スロート辺りが皆に説明したのだろう。どう説明したかは気になるが、それがよくないと思えたミルはこっちにいて、それでも自分は悪くないと思えた残りが奴等か。



「どうせ、その時のノリで動いたんだろう? 予想くらいつく、それで謝罪を貰ったんだ。許すよ。だが次からは気をつけてくれ」



「うん」それだけ言うとどっかに行ってしまった。大丈夫だよな?少し不安になった。



 多分これを言うために残ったんだろうな。思い上がりの可能性も捨てられないが。とりあえずこの件は終わりだ。



 それからはのんびりとした時間を過ごした。いままで慌ただしく、ブラック企業も、裸足で逃げ出すレベルの激務から解放された。



 木漏れ日の下、快適な気候での休日。自然に囲まれながらも快適さがある。揺り篭、クレイドルとはよく言ったものだ。



 村人達も俺に慣れ、普通に話しかけてきてくれる。お嬢様も良く話しかけてきてくれるが、どうも緊張してるのか、辿々しい。会話が人見知り克服の役に立てば良いが。




 ああ、限界だ睡魔に勝てそうに無い。あまりの心地よさに瞼が落ちる。


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