第41話これからの方針

 金を貰ってからが大変だった。まぁ予想はしていたが、原理や概念を全く理解してない者に教えるのは、想像以上にしんどい。蒸留に関しては錬金術の一種だといってしまった。この世界からすれば、違いなど分かるまい。



 まぁこっちはそれでいいが、問題はパンだ。イースト菌・・・細菌の概念すらない連中に話すのは骨が折れる。結局、魔術の媒介だと言ったら納得したのでもう良いかなと。



 契約違反とか後で言われたくないので、書面にして一応ガウに渡した。


 この時忙しさのあまり、一つ忘れている事があった。領主の件だ、俺はこの件を降り、無関係になったが、メンバーにはまだ話して無かった。



 そんな訳で今、絶賛、説教される中だ。これは仕方ない。俺の報告ミスだ。同じパーティーとしてあってはならない。



「領主との間に、ギアスを使うほどの何かがあったのは、理解したわ。でも相談して欲しかった」



 散々説教されたあとにこの台詞だ。こりゃどこかで埋め合わせが必要だろうな。


 結局全員領主の依頼は蹴る形になってしまった。



 このパーティーのこれからの活動方針だが。この店を拠点とし、店の運営報酬は俺が皆に払う形が一つ。



 狩り、あるいは討伐に出て山分けのが一つ。これを主軸に活動するようだ。要するに今まで通り。




「ああ、そう言えばダイスは魔術は凄いけど、まだ弱いじゃない?」本当の事だが失礼なロリだ。周りを見ると皆頷いている。



「そこである程度全員の資金が貯まったら、ダンジョンに行く事を提案するよ」




 リーダーであるリムの賛成に続き皆賛成していく。こうして準備期間を置いて半年後にダンジョンに行く事になった。




 正直半年はありがたい。レベルもそうだが、まだ新しい知識の恩恵を試せていない。武器の性能上昇。組みあわせでの可能性の模索、やるべき事は山ほどある。




 俺はこの先更に忙しくなる事を確信した。同時にわくわくしている自分に少し困惑しているが、これもたまには良い物だ。


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