第17話自力を上げよう

 この世界の生き物はソウルイーターのような物である。他者の魂を奪い己の力を強固にする性質があるのは、この前の件でわかった。



 ならばこの世界でやることは魂を奪う事だろう。幸い罪を犯さずにそれを成す方法がある。ギルドだ。日本で言う特定地域での害獣駆除でお金が貰えるシステムに近い物がギルドにはある。ゴブリンやスライムもそれに含まれる。



 スライムコア等は状態次第ではギルドより商会に持っていくほうが良いが、売れない物はギルドに証明部位として持っていくほうが良い。



 無論危険は多い。しかし。ある程度は回避できる狩場と武器でどうにでもなると踏んでいる。この店を開いてそろそろ一月になるが、あちらこちらに知人や伝手ができた。お陰でこんな物まで手に入った。



 少し臭くはあるが硫黄だ硝石などは抽出等があれば容易い。雷管も準備はしていた。何をしたのかといえば銃を作成したのだ。



 日本人の俺が何故そんな知識をと思うだろうが、日本にだってそれに近い物は手に入る。無論安全で人なんて殺せないが。構造なんかはほぼそのままのイミテーションなんかは普通にある。当然材質等は別の物だが。



 多分この世界に火薬は無い。あっても銃はない。この町はそこそこ重要な交易町である。その守りに銃を使わない理由がないのだ。




 作ったと言ってもリボルバーである。最新鋭の複雑な物までは把握していない。無論コレを売る気は無い。碌な事にならないのは目に見えている。



 さてこれから狩りと行きたい所ではあるが、どうせならギルドからも報酬は頂きたい。なのでまずはギルドに登録にいくとしよう。



 ギルドまでは5分とかからない近場だ。周りの人に挨拶をしながらギルドに向う。


 「登録をしたいのですが」


 受付嬢にそういうと「貴方であれば問題ないでしょう。最低限の実力はあると、あの場を見ていた職員は確認しています。登録の為小銅貨1枚頂きますがよろしいですか?」




 小銅貨1枚なら当然払うさ、即渡す。そうすると木で出来た球体に変な石が組み込まれた謎の物体を渡された。



「これはギルドに所属する証明となります。紛失されますと発行にまた同じ額が必要なので、御注意下さい」



 受付嬢の話によればこうだ。ランクがあり貢献度などで評価され木・石・鉄・銅・銀・金・聖銀と証明物が変わるらしい。まさにゲームだ。ランクによって受けられるサービスも変わるという事で、内容は上がってからのお楽しみだそうだ。


 そんな事はどうでも良い。目的はレベリングついでに討伐報酬が欲しいだけ。地位が欲しい訳ではない。



 討伐証明は動物系なら右耳、スライム等の特殊な物はコア、それらに該当しない特殊な物は、証明できる部位があれば良いそうである。


 討伐報酬を見ると。



 ゴブリン小銅貨10枚


 スライム小銅貨25枚


 オーク銀貨1枚


 コボルト小銅貨20枚


 等など続いて



 オーガ大金貨10枚



 この地域ではコレくらいしかでないそうだ。無論他の種類を討伐しても出るそうで、法外な金額のオーガは5年前に大暴れして逃げおおせた事があったらしく、そのせいで記載があるそうだ。



 軽い説明は受けた。あとは出現が多い場所をある程度把握した地図?のようなものを見て行動をするとしよう。



 因みにギルドに入る時、俺は少し細めの槍を持ってから入った。穂先は鋭く針のような形状で刃はない。これを見せる事で倒した死体に違和感を持たせないためだ。銃と剣では明らかに傷が違うのでこうするのが一番無難だと判断したのだ。


 注意事項等も受け、ギルドを後にする。さぁレベリングの時間だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る