第4話強くなったと思っても比べてみれば微々たる物

 どれだけ歩いただろうか?既に日は落ち始めている。せめてもの救いは川を見つけた事だ。水があるという事は必然的にその周囲には動植物がいて、人間の集落や町がある可能性が高い。少なくとも飲み水には困るまい。お腹を壊しそうではあるが・・・見る限り水は綺麗そうなのでなんとかなるだろう。



 そしてなにより、食える植物が有る可能性があるのだ。喉の渇きは癒えたが空腹はそうは行かない。しばし探して木苺のような実を見つけたので、鑑定をした。食える物らしいが評価は不味くは無いと。



 実際口に入れると酸味と甘味が少ない木苺のような味だった。



 それからしばし、食料探しをした。林檎のような物を見つけとりあえずの餓えは凌げた。川沿いに移動している、メリットが多いルートだと思っていた。食料の入手や人を見つける上でもだ。だが当然ながらそういう場所には他の生き物もいるわけで。




 出るわ出るわ、魔物に肉食動物。まあここまでは倒して進む事が出来た。無論スキルのお陰だ。ステータスの弱体化はもちろん、今回は重さを変える事で、投石がかなり有効な事がわかった。



 ぶつかる瞬間に3キロも重さが増えればかなりのダメージだろう。3トンとかなら無双できたのに・・・



 ここまでで既にゴブリン4体、スライム4体、あと野犬を1匹仕留めた。レベルも現在では5に上がってステータスも随分上がった。



 力10


 HP18


 防御8


 MP11


 速度9


 思考75




 まずまずと褒めたい所だが正直ゲームのようで気持ち悪い。1日で自分の脚力が2倍近くなる事なんてありえない。からだは順応して動くが、やはり違和感は感じる。




 その異様さを感じながら進むと、目の前にファンタジーならではの人種がいた。エルフだ。向こうはこちらに気づいていない。


 早速ステータスチェックだ。



 力352


 HP1020


 防御150


 MP852


 速度90


 思考300



 ・・・完全に化物だ。



「誰だ、そこにいるのはわかっている。出て来い、さもなくば」こちらに向って弓を構えるエルフ。



 おとなしく出て行こう。勝てる気がしないし、話が通じるだけ可能性はある。



「今出て行く、敵意は無い射るなよ?」



 両手を挙げ、エルフの前に出て行く。

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