第7話EACAPE Ⅱ -DESPAIR-
「何だよあれ...デカすぎるだろ...」
ツチノコが呟いた瞬間そのセルリアンは急速に接近してきた。
「こっちに来てます!!逃げましょうツチノコ!!」
「ああ!!ゲートはあっちだ、急げ!!」
スナネコとツチノコはゲートに向かって走る。そしてその後を超大型セルリアンが追いかける。
もはや追いつかれるのは時間の問題だった。
「っ!!」
スナネコが何かの気配を察した。
「どうした?スナネコ?」
「前からも何かが来ます!!」
そのスナネコの言葉通り2人の前からも接近してくる物があった。
それは全体が灰色で何本も束ねた筒の様なもの(ガトリング砲)が付いた4本の足で移動する自立行動型機関砲だった。
「あれはヒトがセルリアンを倒すために作った機械だ。タイミングがいい!!あれが奴を倒してくれるかもしれん!!」
ツチノコが言い終わると同時にその機関砲が超大型セルリアンに向かって砲撃を始めた。
「うにゃぁぁぁ!!」
スナネコは咄嗟に耳を塞ぐ。
「よし、あれに任せて早くゲートに行くぞ!!」
暫く走った後、2人の背後で爆発が起きた。
「次は何ですか!?!?」
スナネコとツチノコが走りながら振り向くと
そこには超大型セルリアンと破壊された機関砲の残骸があった。
「そんな...嘘だろ...」
「壊されてますよ...どうすれば...」
「とにかく逃げるんだ、スナネコ!!ゲートはあともう少しのところだ!!」
2人の目の前には防護壁と開いている脱出用ゲートがあった。
「ゲートです!!これで助かるんですね!!ツチノコ!!」
しかし、ゲートはブザーを鳴らしながらシャッターを閉じ始めた。
「そんな!!待ってくれ!!」
そして背後にはもう超大型セルリアンが迫っていた。
「ツチノコ!!!」
そうスナネコが叫ぶと同時にツチノコは強い衝撃と共に閉じかけたゲートを通過した。
さばくちほーの隣のこはんにツチノコは転がり込んだ。
「スナネk...」
言い終わる前にゲートはガシャンと音をたてて閉まった。
「おい!!ツチノコ?大丈夫か?」
背後からセルリアンハンターのヒグマが駆け寄ってきた。
「ヒグマ!!キンシコウとリカオンは?」
「あいつらは別のゲートで脱出したフレンズの救助をしている。」
「そうか。それよりスナネコがまださばくちほーに!!俺を逃がそうとして...」
「何だって!?早く助ける方法を探さなければ…」
ドゴォォォォォ...
「何だ!!」
ツチノコとヒグマの目の前で超大型セルリアンが防護壁を破壊した。
そしてそのセルリアンの体内には虹色の光を放ちながら消えていくスナネコとギターが浮かんでいた。
「そんな...もう手遅れか...」
ヒグマが項垂れ、ツチノコはその場に崩れ落ちた。
「そんな...嘘だ...嘘だああああああああぁぁぁ...」
防護壁が破壊された今、ツチノコの叫びは何処にも反響せずに消えていった。
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