第2話 朽ちたMP3プレーヤー

さばくちほーの地下遺跡の中、この中で調査兼生活をしているツチノコはあるものを眺めていた。


カチッ... 〜♪〜♪


「うーん...こいつの真ん中を押すとこの紐の先の円いとこから音が出る。その上下を押すと音が大きくなったり小さくなったり、左右を押すと違う音がでる。一体これは何だ?」


タッタッタッタッタ...


「ツ〜チ〜ノ〜コ〜〜!!!」

「アアアアアアアア!!な、何だお前!! ってスナネコかよ!! 全くびっくりさせんな!!」

「ツチノコって意外とビビりなんですね〜」

「うっ、うるさい!!///...」


俯いたツチノコはスナネコが持っていた物に気がついた。

「おっ...お前!! それって...」


「あぁ...これですか? 綺麗な音が出るんですけど、何だか分かりますか?」


「こ、これはだな...『ギター』という楽器の一種だ。楽器というのは、PPPとかが歌ってる時に流れてる音とかを鳴らすのに使うんだ。」


「おぉ〜、なるほど...それで?それで?」

スナネコはいつになく目を輝かせている。


「!?... お前今日は飽きないんだな。珍しい...

つまり...それを上手く使えばお前も歌を歌えるかもしれんということだ。」


「本当ですか〜.*・゚」

スナネコの眩しい程の眼差しにツチノコはたじろぐ。


〜♪〜♪...


「んっ? ツチノコ、何か鳴ってませんか?」

音はツチノコの持っていたものから流れていた。


「あぁ...これか! これは...俺にも良く分からん。

でもこれから流れる音はPPPやどうぶつビスケッツが歌う時のやつにも似てる。

もしかしたらこれが『うたのもと』なのかもしれんな!」


「おぉ...良かったらボクにも聴かせてください。」


「あぁ、いいぞ。」

ツチノコは『うたのもと』についている紐の先の円いものをスナネコに渡した。


ズボッ...


スナネコはそれを耳の中に突っ込む。


「アアアア...何してんだお前!!」


「こうした方が良く聴こえますよ。」


「そうか...まあとりあえず聴いてみろ。 ここを押したら別のが流れるから。」


カチッ... ♪〜 カチッ...♪〜 カチッ...♪〜


♪♪〜...


何回か音を切り替えある音が流れたとき、スナネコの動きが止まった。


「おい...スナネコ?」


「...」

スナネコは聴き入ったまま微動だにしない。

そしてかなりの時間がたった。


「スナネコ、外を見てみたがもう夜だぞ。帰らないでいいのか?」

その時、スナネコがようやく口を開いた。


「ツチノコ...」


「何だ?」


「ちょっと聴いてくれませんか?」

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