第5話

昨日は久しぶり眠れた、と優子は思った。


未だ未だ冷えるこの頃。


今日は月1に入っている県外S店。

バスと電車通勤になる。


まぁ月1位なら大丈夫かな。


今朝はちょっと電車の中で寝てしまった。

居眠りしたのは、高1授業中国語の時間に一瞬寝てしまった時以来だなぁ…。

いや待てよ、高2の頃バスの中でも一瞬あったっけ。


優子はハッとなり気がついたらもう熱海だった。


熱海止まりでここから東京行きに乗り換えだ。


えーっと。

電車の時刻表を駅ホームで確かめる。

次は何時かな?!

8時45分発東京行き。


優子はこのまま旅に行きたくなった。

このバイト長くないよな。


そう思うのが自分の素直な心境だった。

いつ位まで続くか保証出来ないから、まぁ気ままに、先は長い。

毎回同じ様な事考えている。


店の事務所に入り社員達に挨拶する。


そして店内に入って、さっ仕事だ。

自分に喝をいれる。


数時間後に電化製品売り場で優子は足を止める。


さっきから何人か3人位の男のグループが挙動不審に、ビデオカメラを見ている。

ガラスケースに入っている商品をじっと1人が見て他2人は周りを気にしている。

優子はじっと辺りを見渡し店員を探す。

誰か気がついてくれないかな。


何かあったら1人で声掛けは怖い。


優子Gメンはその中の1人がケースの鍵を開けるのを見ていた。

そしてビデオカメラを上着ジャケットの左側に隠し持つのを見逃さなかった。


そして3人グループは足早に店外に出ようとしている。

その時、店員2人が後に付き店外に出ようとするグループを見張りながら後を歩く。


優子は店側に出たグループを尾行するがグループ1人が気づき男性トイレに駆け込むも後から2人も気がつき3人は走って逃げてしまう。

「ちょっと待ってー!!」

走り逃げて行く男達を追う店員。


優子はとても怖かった。

3人共足が速くて追いつかない。


店員達は優子を責める事をしなかったが早速店長さんに説明している。


優子は店員と店長さんに謝り続けた。

顔が真っ赤になるのが想像出来た。


優子はかなり落ち込み、気が滅入ってしまうが休憩時間まで後20分になっていた。


そして警備会社に報告し、やはりここでも上司に謝り続けた。

上司からも店長さん達に謝ります。と言う事でこの日は、防止、捕捉すら出来なかった。


この出来事を一応日誌に書くのだった。

そしてタクシーに乗り駅から電車で帰路に着く。


最近まだ睡眠時間が短いか。


今朝はそれでも5時間は寝ている。

最近は1日置き位の周期で眠れないのが、4、5時間は寝ている。


これで良いのかも知れない。

優子はそうん思う。


そして今日は、P店での仕事になる。

ここは入る回数が多い。


優子は仕事の支度をして車でT店迄向かう。

今日は時間は余裕を見て出かけている。

早めに着くのでコンビニに立ち寄り弁当と温かい飲み物も買う。


そして店内に向かう。


店員に挨拶して店内へ入る。


どうしてもお客さんの目を見てしまう。

警備員と気が付かれないだろうかと不安になる。

優子は直ぐこんな事を考えてしまう。

目が合ったら怖いなぁ。


午前中は何も無くて平和である。

昼休憩に入ってこんな日は穏やかに過ごせる。


立て続けに捕捉があったり無かったりだが、毎日そんな日があるから平和な日は貴重だなぁ。


挙動不審者はいないが、又この店でも空になっている商品のパッケージがカー用品コーナー売り場、人けの無い所の棚に車のルームミラーだけ盗んでいたらしき跡が残っていた。


丁度品出ししているカー用品売り場の店員さんに渡し事情を説明する。


今日は怪しい人は、居ない。

その時男の20代前半2人組がカー用品売り場で自動車部品の小さな商品を売り場から手にして中身を外し棚の下の床に置き一旦その場から離れるが又来て左側に立つ男が商品を上着ジャケットの右手から左側ポケットに入れる。

しばらくその場から離れない。

その間2人で話をしている。


20分位居ただろうか。

男の2人組は外に出ようとしている。

偶々外に出ていた店員と優子は目が合った。

そして2人に声を掛けた。

盗んだ方の男に声掛けるが、中々その場から動こうとしない。

優子は焦った。


「俺にそんなに偉そうとするなら許さない」

と男の腕が軽く優子の腕に当たる。


しばらく暴力を振るおうとしている男にもう1人の細身の男が言う。


「おいっ。女に暴力だけは辞めろ!」


しばらく押し問答している。

その時外にいた店員が助けに入る。


「お客さん、辞めてください!」


その店員さんに助けられて優子達は店のバックヤードに向かう。

事務所前迄来て店長さんが警察に電話する。


「なんだ、こいつ。お前、警察か?偉そうに威張るなよ!ムカつくんだよ!」

男はとても興奮している。


優子は警察と間違えられて焦る。


しばらく又そこでも押し問答が続き丁度その時警察官が中に仲裁に入る。


その若者は警官にも怒り出す。

警察によるとその町では何回か万引きを繰り返している。


優子はそんな事を言われた。


そして後で店長さん達に、仲裁に入ってもらったお礼を言う。


そしてその日はそのまま仕事は終了時間まで後1時間だった。








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