第7話

 ゴゴゴゴゴッ!!

 大きな地響きと共に目が覚めた。

 寝ていたのか。すごい揺れ……地震?矢庭に体を起こし部屋を出たら、「敵襲かぁ?」と目を擦りながら眠そうな声で同時に隼人も部屋から出てきた。


「いや、ここに乗り込んできているわけじゃなさそうだけど……」


「……上。なにか走ってるな……車?」


「車じゃここまでの揺れは起きないと思う……見てみる?」


「よしっ!上行ってくる」


 そう言って部屋を出ようとする隼人に「ちょっとまって」と瞬時に止めた。


「寝る前に実家から持ってきた監視カメラを設置しておいたからそれで見てみよう」


「おお!見せて見せてぇ」


 ここの先生が見回りをするとは思えないけど。身を守るために持ってきた監視カメラとパソコンがこんなに早く役に立つとは思わなかった。

 すぐにパソコンを起動させ画面を外のカメラの映像に変えた。


「ん?なにこれ?乗り物……?」


 隼人はパソコン越しに外の様子を見て不思議がっていたが俺は直ぐに気づいた。


「乗り物だよ……戦車」


 軍事学園だからあるとは思ったけど……何かあったか?


「今外には出ない方がいいと思う」


「歩ぅ、戦車じゃないのも走ってるよぉ」


 話聞いてねー!?っは?戦車じゃないもの!?


「また初めて見る乗り物だぁ」


「ちょっと見せて!……軍用車73式??」


「73?」


「輸送車だよ」


 戦車と大型車……。


 疑問を持ってる間に軍用車は走り去って行った。

 カメラを見始めてから数十秒間に走った数が多すぎる。戦車5台に輸送車5台って何を運んでたんだ?


「今度は人が映ってる」


 地面に寝転がりながら呑気に見ているこいつには危機感はないのだろう。

 映ってるのは見るからにヤンキーだし生徒だろうけど、周りをキョロキョロ見回して何かを探してるみたいだ。後ろを気にしてる様子はないし誰かにおわれてるわけでもなさそうだし、さっきの戦車追ってるなんてことは無いよな?


「ってあれ?隼人?」


 気がついたらドアが開いていてパソコンの前で寝転んでたあいつは消えた……あのバカ出るなって言ったろ!!とことん人の話を聞かねー奴だあいつは!!


 監視カメラの映像を見ると隼人となんか探してる奴が既に会ってしまってる!?なんか喋ってるな。ん?隼人が戦車が走っていった方向を指さしてるって事はやっぱりあれ追ってたのか……おい、親指でこの建物を指してるけど、まてあいつここ連れて来る気じゃねーか?……入ってきやがったよ馬鹿ぁ!どんなやつかも分からねーのに!!


「新入り連れてきたよぉ」


 隼人はドアを閉めてにこやかにこちらを見ていた。

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