第4話

 早急にこの学園から退散する為に退学届けを出しに歩き始めて約30分が経過してようやく監視者部屋という意味のわからない場所にたどり着いた。学園内の地図によればここが職員室で間違いないだろう。



「失礼しまーす」



 ノックをして恐る恐るドアを開けるとそこには見た目が軍人やヤクザだらけの状況から一瞬ここが学園内だということを忘れてしまいそうになったものの「少しお話がありレイコ先生という方を探してるのですが……」と小さな声を発してみた。



「私がレイコだ。お前は新入生の三神 歩だな、私に何か用か?」



 最悪のシチュエーションだ。まさかの入学生歓迎挨拶で喧嘩を売りまくった挙句に必要最低限の説明もしなかった異常者で今いちばん関わりたくない人物が担任……!?だが、ここで食い下がったら人生が終わるのは目に見えている……俺は勇気を振り絞って言う事を決意した。



「今日を持ちまして退学します!」



「ほぉ?そうか、分かった」



 食い気味に了承してくれるとは意外と聞き分けがいいじゃないか、これで自由になれる。両親と兄には悪いが俺はここでリタイヤさせてもらい、安全で普通の日常に戻らせていただきます!!



「では、歩君。君を今から殺すことになるのだが、どのような死に方が御所望だ?選ばせてやる。まず銃で一思いにいくか……」



「ちょ、ちょっと待ってください!殺す?殺すってなんですか?退学ですよ?家に帰れるんじゃ?」



 今日は生まれて初めての体験続きに加え先生の言葉に混乱して頭の中が真っ白になった。この先生は一体何を言っているんだろう?聞き間違えかなにかだろうか?



「家に?そんな訳ないだろ?ここに入学したら卒業するまでは何があってもここからは出せないし退学届けを出したものには死をもって退場してもらう。入学説明会で言わなかったか?」



 言ってねーよ!そもそも入学説明会なんてなかったろ!!嘘だろ!?退学するとこの世からリタイアさせられちゃうんですか?え?いやいや、退学=死って法律どうなってんだよ!!……ってここ法律効かねーとこじゃねーか! えへへ間違えて入学しちゃったよ、これからこの学校で青春しよっ!とはならねーんだよ!!クーリングオフは適用されろぉ!!



「ごめんなさい、間違えました。退学しません。」


 直ぐに諦めた。


「そうか。」



 俺は生まれて初めて絶望を味わい涙を流した。

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