第3話

 日本軍事要塞学園


 20XX年、日本の法律に全ての不良、ヤンキー行為の禁止及び少年少女の犯罪行為を禁ずる事が決定した。そして、法律とともにできた政策ヤンキー廃止制度でできたこの学園は、日本中の不良を一時的に人権の剥奪をして無理矢理入学させる。入学から3年間校内からの外出及び外との連絡や通信を禁止し、卒業までには更生させて将来は日本の軍隊に入隊させるという事になっている。

 表向きは不良の悪知恵や喧嘩早さなどを活かして優秀な軍人を育てあげる更生施設となっているが、いわば牢獄のようなものだ。

 この学園はいくつかの区域があり、校内にはコンビニエンスストアやショッピングモール、科学研究施設に戦闘訓練場など様々な娯楽や施設があるのと、この学園内は日本国だけでなく世界のどこの法律もきかない場所である。


あらゆる施設が入り交じった学園。

通称、日本軍事要塞学園都市



 そんな学校に入学した俺は中学生の時に名の売れた手のつけられないヤンキーだった訳ではなく、ヤンキーのヤの字もない優等生だ。


 入学した理由は、4年前ここに入学して既に卒業したはずの兄は帰ってくることなく未だ連絡すらないせいで俺は親に無理やり入学させられたのだ。



「何が悲しくてこんな野蛮な学校に入学しなきゃ行けないんだよ」



 15メートルはある金属の壁に囲まれた学園都市の門の前に着いたはいいが、門の奥には至る所で喧嘩が勃発し、死んでるやつもチラホラいるこの意味のわからない状況に困惑しながら学園内の地図を片手に集合場所に向かう。



「法律無いからって流石におかしすぎんだろ!?すぐさま退学届けでも出してここからおさらばしたいよ……」



 既に泣きそうになりながらも集合場所にたどり着いたが、体育館の広さと戦争さながらな周りの喧嘩に圧倒されていたその時、大きな声が鳴り響いた。



「入学おめでとう貴様らぁ!!テメーらクズは社会の何の役にもたたねー!!今から勉強していい子ちゃんになれるわけでもねー!!」



 見てくれはかなり綺麗な先生だが、入学生への挨拶で喧嘩をしていたヤンキーの目線をかっさらい喧嘩腰に挨拶している女先生に対して牙を剥き出し今にも襲い掛かりそうな生徒達にまったく怯むことなく続けた。



「今日から貴様らは軍人になる為日々訓練を受けてもらい、卒業後は世界のために人を殺しまくってもらいたい!!」



 いやいやいや、開口一番から何言ってんだこの先生は?頭のネジが飛んでるレベルの問題じゃねー……兄貴はこんな所に3年間もいたのかよ。いやまて……こんな所だ、生きてるかも不安になってきた。



「まぁあれだ、死んだやつに墓はやらねーしテメーらで勝手に生きていけ。今日からの課題は1ヶ月生き延びること!!武運を祈る!!以上!!」



 以上じゃねーわ!これで終わり?住むところとか諸々聞きたいことが山ほどあるんですけど放置でしょうか?異常です!怖すぎます!馬鹿なんですか??隣のヤンキーさんなんか何年ぶりかにシャバに出たくらいの開放感が感じられるほどの快感を得てますが、誰も何も質問とかないんですか!?



「よしっ!退学届け出しに行くか!」

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