3
二人は先生に瑠璃の残していった手紙を見せた。
先生は瑠璃の手紙を読んで、それからすぐに二人の顔を見た。
「この手紙を見つけたのはどっち? それとも二人一緒に見つけたの?」先生が言う。
「僕です」翡翠が小さく手を上げて答える。
それから先生は手紙を見つけた時の様子を翡翠に詳しく聞いた。それから少しだけなにかを考えたあとで、ソファーから立ち上がると、部屋の中にかけてあったコートをとって、スーツの上からそれを着た。
「街の人たちに連絡をしたとしても、おそらく間に合わない。今から私たち三人で瑠璃を追いかけようと思う。二人とも、それでいいかな?」
「はい」
「はい。わかりました」
二人は先生にそう返事をすると、先生の部屋を出て自分たちの部屋に戻り、すぐに外出の準備を整えた。
琥珀は首に厚手のマフラーを巻いて、手袋をすると、自分の部屋を出ようとした。そのときに琥珀は、まだ描く題材の決まっていない真っ白なキャンパスに目を向けた。
「琥珀」と翡翠が廊下から琥珀を呼んだ。
「うん。すぐ行く」
琥珀は電気を消して、自分の部屋から廊下に移動した。
翡翠は薄い緑色のマフラーと、愛用の茶色のコートを着ていた。手には黒い革の手袋している。
琥珀は真っ白なマフラーにオレンジ色のコートという服装だった。
二人は宝石の国の玄関に移動する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます