94.連携攻撃
相手の思考を散らす為、左右に展開しながら、接近を試みる宗谷とシャミル。
「開」
シャミルは不敵な笑みを浮かべながら、
短い風切り音の後、音を立てて、地面に転がる投げナイフと
「背後へ」
「承知」
宗谷は正面から
一撃を貰うのは拙いと判断したのか、
全て宗谷の思惑通りである。力負けして抑え込まれる演出をしつつ、油断を誘い、シャミルに絶好の隙を作る。シャミルは両刃のダガーを構え、
しなやかな着地。そして、連続する風切り音。
両刃のダガーによる連続攻撃は、
そして
(――流石、猫の幻獣。人間離れした運動神経と動体視力だな)
宗谷は間髪を容れず、背を見せた
宗谷とシャミルの対角的な位置取りによって、
そして、動きを止めた一瞬の隙をついた、宗谷の
シャミルは口を封じる為、首から切り離され宙に舞う頭部に飛び掛かると、ダガーを
「完封ですね。流石、
「まだだ。剣が反応し始めた。……特定の
宗谷が指を差した方向では、首無しで横たわる
「……これは、
「シャミル。君は魔術にも精霊術にも通じてるようだが、いずれかで対処出来るか? 出来ないなら僕がやる。メリルゥくんは
「……なるほど。メリルゥ嬢は、良い精霊術の使い手の様子。……では、私は違ったアプローチを」
シャミルは目を閉じ、右手を翳すと、精霊術の詠唱動作に入った。
「怒れる炎精霊達よ。我が導きにより、炎の世界へ還りたまえ。『
シャミルの詠唱が完成し、虚空に赤い円環が浮かんだ。
そして熱を帯びた赤い剣から、炎のような塊が吸い出され続け、赤い円環の中に消えていく。
炎精霊が放出された赤い剣は輝きを失い、変哲も無い鈍色の剣に変化していた。
「……送還魔法。なるほど、その手もあったな」
「
「
「いくつか考えられますが、
分析能力と判断能力。
そして白兵戦闘、魔術、精霊術。戦闘に関わる
宗谷は頷きながら、
「申し分無い。もし君が冒険者になれば、
拍手をしながら
「そして抜け目ない。それも資質だ」
「……抜け駆けのつもりは無いです。生きて戻れたら、換金して
「分かった。回収を終えたら、急いでリンゲンへ向かおう」
リンゲン入りの前に、シャミルとの連携は試す事が出来た。標準的な
宗谷も牽制射撃に放った
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