78.黄昏時の戦い
山道を封鎖する
「――闇を照らす明かりとなれ。『
アイシャが魔石付きの
この明かりにより、夜目が効く悪魔族の視界面でのアドバンテージが失われた。
「メリルゥくん」
「ソーヤ、
宗谷はメリルゥの声を確認すると、突撃してきた
「君の相手は僕がしよう。同じ魔術剣士スタイルか。奇遇だね」
宗谷は、直立したまま赤黒い剣を手にした
◇
六匹の
メリルゥが召喚した
「わわっ、来た!」
タットは迫る
「おっと」
タットは鎌の大振りを頭を下げてかわすと、スリングショットを地面に落とし、腰のダガーを引き抜き、空中で弧を描いた。
狙いすました刃の一閃が
「グギャッ!」
「ふう、危なかった」
片翼になって転がった
ミアにも鎌を手にした一匹の
攻撃の
「――
ミアが
敵意解除の神聖術が掛かった事を確認すると、ミアは精神集中を続け、方陣を維持しつつ、周囲の索敵を始めた。
索敵するミアの視線の先では、アイシャが一匹の
迫る
「――魔力よ。魔弾となり敵を討て。
アイシャの杖から直線状に放たれた魔力弾は、
「効き目が弱いっ……!」
足が止まり、咄嗟に杖を構えて防御態勢を取ったアイシャに対し、
「ギャッ!」
メリルゥから放たれた
「……す、すみません、メリルゥさん。助かりました」
「アイシャ、倒す自信がない時は、とにかく足を止めるな。単体相手なら逃げ回ってさえいれば、簡単には追いつかれないからな」
アイシャは頷きつつ、メリルゥの方へ視線を向けると、傍で護衛に当たっていた
護衛対象である荷馬車には、宗谷が造り上げた二体の
手際良く
「それっと。……ミア姉ちゃん、大丈夫?」
ミアの神聖術により敵意を奪われ、惚けていた
「……タットさん、助かりました」
ミアはタットに礼を言うと、方陣を解除し、
六体全ての
◇
「……おや。もう
宗谷は周辺の状況を確認した後、血達磨になり、荒い呼吸をしながら
宗谷と
結果は、宗谷のワンサイドゲームだった。
その一撃すら、最上級の防護性能を持つビジネススーツにより、威力は大幅に軽減されていた。
そして
後方ではメリルゥやタットが飛び道具を構え、援護射撃を行う隙を伺っている。
「――オオオオオオオオ!」
戦況が多対一に移り変わり、敗北を悟ったのか、
「さて……何故ここに居て、封鎖していたか、教えて貰えると助かるな。返答が無ければ、拷問のような事になってしまうかもしれない」
宗谷は
その時だった。
紅蓮の炎が、宗谷の目の前に居る
「……炎だと?」
炎の発生源は
「自爆攻撃……! 皆、退避を」
宗谷は大声で仲間達に警告しつつ、魔術の詠唱を始めた。
だが、自爆への移行があまりに早い。そして魔術で剣を移動させたとしても、炎を撒き散らした場合、周辺の木々に炎が燃え移り、山火事に繋がる可能性が高かった。
(……女神の祝福による再生がある。爆発を身体で抑え込むべきか?)
「――地精霊よ、大地を砕き大穴を開けろ!
一早く異変に気付いたメリルゥが、精霊術を完成させると、赤く燃え盛る
崩壊しながら閃光を放つ剣と共に、
――そして、爆発音。
地鳴りと共に、精霊術により開いた大穴から、凄まじい火柱が立ち昇った。
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