Climax!!

演奏が始まったわ。


曲はわたしたちが初めて出会った時にジャムって即興で作った曲。

ギターリフとバスドラの、ド・ドっていうビートが貫かれる曲。


ただしね。

そのスピードが加速し続けるのよ!


「ロック、もっと速く!」

「イサキ、モタついてるよ!」

「カセ、ラウドに!」

「ネマロ、指を見えなくするのよ!」


さあ、サビのパートよ!


『メル、叫べっ!!』


ラ・ラ・ラ・ラ・・・・!!


きたわ。

このスピード。

この音圧。

この周波数。

この、パッション・・・!


「あ・・・AIが・・・」


ビリビリとこの子たちAIが全員震え出してる。

まるでリズムを取ってるみたい。


「もっと、もっと!」


わたしは多分、怒鳴ってたわ。


「まだよ、まだまだ!」


全員、こう思ってるはず。


『気持ちいいっ!!』


The Evolution.


バンド・アンサンブルは全員の全速・全力で出来上がるのよ!


ああ、もうこれが限界!

これが最高よ!


・・・ビシ・・・!!


・・・AIたちの振動がやんだわ。


わたしたちの全力の演奏とエフェクターの魔力で実現できた周波数と音圧。


そしてわたしの声。


きちんとこの子たちAIしてくれたわ。


いい子ね。

みんな、おやすみ。


わたしも、眠るわ・・・

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