美少女達が本気出したら世界征服なんて余裕ですから!!

高岡 望

第1話・心震わすMUSIC

朝の慌ただしい時間帯。

出勤やら通勤やらで人が蠢く都会。

機械音が騒音撒き散らす都会の端っこのさらに端っこで――

彼らは歌っていた。

各々がそれぞれ違う楽器を携えて、何か目には見えないものを掴みとるかのように真空を睨みつけて。

その姿は、まさに空気のように都会人から無視され、奏でる音は鳴り止むことのない喧騒に遮られ、伝えたい言葉は下らない世話話でかき消されるだろう。

それでも彼らは歌い続けた。

無視されても届かなくてもきっと誰か、一人でもいい、一人でも誰かの心を震わすことができるなら俺達は歌い続けると。

そんな意志を突きつけるようにただひたすら歌い続けた。

そしてそんな彼らの音楽は、一人の少年の心をとてつもなく強く震わせた。

あるいはそれは日々の鬱憤への怒りだったのかもしれない。

それともそれは変わることのない毎日への諦めだったのかもしれない。

なんにせよ少年の心は震えた。

強く大きく自分でも驚くくらいに震えた。

そして少年は決意する。

自らもバンドを結成すると。

そして自らが行っているある創作活動にも更に本腰を入れる、と。

少年は希望に溢れていた。

まるで枯れかけた花が水を得たかのように。

子供が初めてクリスマスプレゼントを与えられたかのように。

少年の表情は希望に満ち満ちていた。

これはそんな少年が彼と同じように熱い心を持つ美少女達と共に世界を征服するまでの最高にイカれていて最高に熱い物語である――

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美少女達が本気出したら世界征服なんて余裕ですから!! 高岡 望 @archemikillsm

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