最後の策
彼女にとって、世界とは自分を中心に廻っていた・・・・生まれた直後の神は通常ならば、右も左も解らない状態で生まれてくるはずが、彼女にはそれが全てが解っていた・・・世界の成り立ち、根源・・・・様々な事が生まれた時に解っていた・・・
彼女は強欲だった・・・自分が欲しいものは何でも手に入れた、名誉、力、知識、世界・・・・・だが、全てを手に入れようとしても、たった今、生まれたばかりの神・・・どれだけ才能があろうと、自分の上はたくさんいた・・・・
(気に食わない・・・)
彼女はそいつらが気に食わなかった・・・だから、自身の力を強める事を求めた・・・どんな手を使っても・・・どんな手段を使っても・・・・・・周りに居る、神等、必要ない、神は一人だけ居ればいい・・・
だから、私は絶対神と名乗った・・・ただ一つの神になる為に・・・
自身の力を上げる為に手始めに世界を作った・・・世界の生物の感情からエネルギーを取り、そのエネルギーを使い自身の力を上げられるというのは解っているが、どうすれば一番効率いいだろうか・・・
感情エネルギーは、知的生物の方が取りやすい・・・その上で取り出しやすい・・・感情は・・・・笑い、幸福感、幸せの感情・・・駄目だ、効率が悪すぎる・・・第一、そう言った感情を覚えると、更に幸福、幸せを求めて切りがない・・・それに、私が作った創造物に対し、我儘を言ってくるのを聞くなんて、我慢何て出来やしない・・・
恐怖、不安、怒り、悲しみ・・・・うん!この感情なら、効率がいいだろう、ただ、争いを起こしやすい世界を作り出せば、それだけで、勝手に感情を高めてくれる・・・あんまりやり過ぎると、世界から、人が一人残らず、居なくなってしまうが、どうせ、居なくなったら、別の世界を作り出せばいい・・・そんなに気にする事では無いか・・・
それから、私は様々な世界を作った・・・何度も作っている内に、あまり、争いだけを重点的に世界を作ると、すぐ生き物が全滅してしまう為、ある程度加減をして、世界を作る事を覚えた・・・
世界を管理する上で、情報を纏める為に、あるものを作った・・・天智の書というものだ・・・これは、世界のありとあらゆる、事象、経過、結果、未来、過去・・・物事の全ての情報を集め、見る事が出来るスキル・・・これさえあれば、更に効率的に感情のエネルギーを集められるだろう・・・・
・・情報を管理しやすくなって、世界を観察しやすくなった今・・一番感情が高まりやすい世界を確認した所、そこは、力が支配する世界だった・・・天智の書によれば、力がある者は、弱い者に恐怖と震えと言った感情を与え勝手に支配しようと動く・・・・力が無い者は、自らの力の無さから、様々な物を奪われ、怒り、悲しみ・・・そう言った負の感情を抱くと言う・・・無限の感情生産世界となっていた・・・
私は歓喜した・・・この世界を媒体に力が支配する世界をたくさん作れば、もっと私は強くなると・・・
その目論見は成功し、私は自らの力を更に増した・・・それに、天智の書で自分が管理した世界は未来も見る事が出来る・・・失敗する訳が無かった
まあ、もはや自分すら管理出来ない位世界を作り過ぎた所為で、偶に天智の書で作り出す際見落としたこと持った・・・
その所為で、力がある者が優しさと言うバグの感情を持ってしまい、力が無い者を支配しない様に動こうとする者が居る世界が作り出してしまったりしたが、そういった時は、私が生み出した配下の神が極限まで、感情を絞り出した上で消滅させるから、そこまで気にしなった・・・
そうやって私は力を手に入れていったのだが、周りが何かうるさい・・・何?お前のやり方は間違っている?生み出した世界の人達を使い捨てにするなんて、それでもお前は神か?だって・・・?
それは何か・・・・私がお前達より力を手にした事による妬みか?・・・まあいいや、今なら、ある程度力もついてきた・・・だから、うるさいから、そいつ等は全員殺した・・・・結構な数の神達をころしたなあ・・・まあ、これでも、上の方の神には勝てないのだけれどもな・・・
それにしても、あいつらうるさかったな・・・神は・・・人々を守り、育てる存在だって?・・・・
自分で世界を作っているのだから、そこで生まれたそいつらは、私の奴隷だろ・・・私が好きに使ってもいいじゃないか?・・・守るなんて論外だろうに・・・・本当に意味が解らない神達だった・・・
・・・・・世界を支配する・・・それが、彼女にとっての当たり前だった・・・だから、世界を作って、生物が生きていたとしていても、自分のエネルギーを作り出してくれる燃料・・・奴隷・・・家畜・・・そんな認識でしかなかった・・・
世界を作り出し・・・敵対している神々と争っていった・・・かなり、力を上げてきたが、まだ、上に挑めるほどでは無い・・・そこいらに居る神共なら束になって掛かって来ても負けないが・・・あいつ等は違う・・・それに、戦争を仕掛ければ、一対一になるかも解らない・・・下手をすれば、一対多数になっても可笑しくは無いだろう・・・もっと圧倒的な力が必要だ・・・
・・・その時・・ふと、彼女は考えた・・・他の神達の世界からも感情エネルギーを集めれば、更に自らの力を強くできるのではないかと・・・
私は格下の神に自ら戦争を仕掛けた・・・本来なら無視をする、自分より格下の相手・・・だが、それでも、それなりの数の世界を作り出しているはずだ・・・それを丸ごと手に入れたらどの位のエネルギーを手に入れる事が出来るか・・・・彼女はその為に策を考える・・・
始めに、魔界という世界を強引に相手の神の世界にねじり込んだ・・・その際、相手の世界と魔界をリンクをさせて、感情エネルギーが私が降臨した際、魔界に集まるように仕向ける・・・今回の計画は初めての試み、自ら手をかけ、確認しておきたかった・・・その為、最後には、自ら魔界に降臨するつもりだった・・・
媒体は魔王・・・・こいつは、魔界の柱として作り出すだけでは無く、私が降臨する際の贄になってもらう・・・だから、こいつだけは下級神・・・まではいかないが、それに匹敵する力と権限を与える・・・
そして、魔界に生み出す生物・・・知性がある魔族と動物的な魔物でいいか・・・後は、本能的に外の世界の住民を苦しめて殺すのを求める様にして・・・・魔界と世界を繋げる・・・この世界を作り出した神は馬鹿なのか、住民達が闘う術を持っている世界が少ない・・・だからこそ、その落差から生まれる感情は格別だろう・・・・・
後は、期を見て、自らが降臨すればいい・・・向こうの神達の世界は私の支配下にある・・・天智の書にリンクさせている為、何をしようと、こちらから丸わかりだ・・・ああ・・・速く・・・降臨して、人々の負の感情を味わいたい・・・・
その時のことを考え私は笑う・・・・・
自身が奴隷・・・家畜だと思っていた、私自身の住民に土をつけられる等と露とは知らずに・・・
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フハハハハ、あいつらの世界の感情エネルギーを私に集めてみたが・・・これでもかという程力があふれるぞ!!
「ハハ!!ドウシタ!!コンナモノカ!!」
私はさっきまで、私を攻撃してきやがった奴隷を魔界の端まで吹き飛ばしながら・・・・大声をあげて問いかける・・・
もはや、周りの魔物達の助けなどいらない・・・一応、あの魔物達は我が直々に生み出した魔物・・・我が力を増したことにより、魔物達も強くなったが・・・これだけの力の差・・・最早あやつらはいらないだろう・・・こいつを殺した後、世界に恐怖を与えるのに、使えばいい・・・
・・・そうだ・・・これが本当の姿なのだ・・・この圧倒的な力の差・・・この姿こそが本来の姿・・・あるべき姿・・・・
・・・だからこそ・・・先程までの事はやはり間違いだったのだ・・・奴隷などに・・・しかも自らの作り出した家畜ぶぜいに・・・・・自身の計画を一瞬でも台無しにされそうになるなど・・・戦闘が拮抗する様になるなど・・・あり得るはずが無いのだ・・・・・
そう言えば、この家畜・・・生意気にも、力を受け流すとか言う、ダメージを最小限に抑える技術を持っていたな・・・まあ、さっきと同じ様に・・・サセナイケドナ・・・・
私は始め奴隷を吹き飛ばし多様に、着地地点に先回りする・・・天智の書で奴隷の闘い方はインプットしてある・・・・現在は天智の書の範囲外にさせられてしまっているが為、この戦闘が始まる以前の情報は全て知っているが、たった今作られた戦法や技術には対応は出来ない・・・まあ、そんな簡単に魔法や技術、スキル何て出来るものでは無い・・・しかも、今は戦闘中だ・・・そんな事、神ですら不可能だろう・・・・
私は、力を抜きダメージを外に逃がすように地面に衝突しようとしているそれに・・・拳を当てる・・・・先程と同じ構図だが、さっきとは違い、私は世界中から力をもらっている・・・・あの時とは比にならない程の衝撃を与えているはずだ・・・・・
「ガハ・・・」
奴隷が血を吐くのが見える・・・そうだ・・・家畜はそうして、地べたを這いつくばっているのが当たり前なのだ・・・唯一の神である私に逆らうなどあってはならないのだ・・・
なおも、ダメージを受け流そうとする、奴隷にさらなる追い打ちのダメージを与える・・・・右、左、下、上、左上、左下、右上、右下、四方八方から攻撃する・・・先程までは、何かの間違いで力が拮抗していた為、使えなかったが、この圧倒的な力を持った状態で、天智の書で奴隷の周囲の状況を把握すれば、どこをどうやって攻撃すれば、力が流せないか解る・・・・・・
家畜などに天智の書が使えなくとも、そんなもの、圧倒的な力さえあれば、いくらでもどうにでもなる・・・
「ヤッパリ・・・ナニモデキナイナア・・・」
私の言葉に反応したのか、家畜がガードしようとする・・・
「アマイ!!!」
私はそのガードごと、強引に殴り飛ばす・・・また、魔界の端まで飛ばす・・・・・ハッハ・・・もうこいつは私のおもちゃだ・・・・
どうやってこいつを嬲り殺してやろうか?!
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「・・・すごいわね・・・・これ・・・・」
俺は、ジェニーに魔法を見せている・・・属性が違う魔法を二種類を混ぜる方法をジェニーが見せた為、だったら、全種類の属性を混ぜてみたらどうだと思って、やってみたら、出来たのだ・・・・
「混合魔法、さっき見せたばかりよね・・・・・」
いや、原理については、ジェニーから前々から教えてもらっていただろう・・・その原理をちょっと応用しただけなのに・・・そんなに騒いで・・・
「・・・貴方なら、魔法を1から作る事も、一瞬で作れそうね・・・」
いやいや、そんなこと無いから、どんなに頑張ったって、数十秒はかかるから・・・・本当に、ジェニーは大袈裟だなあ・・・・
―――----------------------------------
ハッハ!!今度はこっちに・・・いや・・・あっちに飛ばしてやろうか?!
ドンドン・・・攻撃を続ける・・・もはや、こいつは敵では無い・・・タダのボールだ・・・そして、この世界は遊技場・・・ああ、何て楽しい遊び場なんだ・・・・
「モウオワリカ?!」
ほとんど、反応しない奴隷に対し、そう問いかける・・・まあ、何度か、避けたり、防御しようとピクリと動いたりしたが、その前に潰しているから、何も出来ないで、飛んでいるだけなのだけの存在になっているのだがな・・・クフ・・・・家畜の分際で、私に盾をつくからこうなる・・・・
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「・・・・すごい・・・」
いや、リイム・・・お前に、言われても全然説得力無いから・・・・
俺は今、自身の魔力では無く相手の放出されている魔力を使い、魔法を使う方法をリイムから教えてもらっている・・・・
普通なら、自分で使っている魔力以外は、操ることが出来ないのだが、魔力の種類、波長などを解析し、同調させることで、外に放出されている魔力の一部分を使うことが出来る・・・
その方法をリイムから教えてもらっているのだが、彼女は、一瞬で俺の魔力を奪って操れるのに、俺は数秒・・・下手をすれば、数十秒・・・時間が掛かってしまう・・・
「・・・私とあなたは、本契約しているから、お互いに魔力が使いやすいのよ・・・まあ、私は魔力の種類や波長を変えて、やりずらくしているはずなんだけど・・・」
それ、俺だってやっているはずなのだが・・・
「天智の書よ・・・それで、一瞬で解析して、操っているの・・・だけど、貴方は、スキル無しで解析しているでしょう?普通はそんな簡単に出来ない・・・本当にすごいこと・・・」
いや、そう言われても、お前の場合、一瞬でやっているからなあ、実感が湧かないんだが・・・
「・・・・貴方なら、神様の力さえ解析して、ものにするんじゃない・・・・?」
・・・それが出来たら苦労しないだろうに・・・・・・まあ、一応、それを目指して頑張ってみるか・・・
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そうして、また、魔界の端まで、奴隷を飛ばす・・・これで、何度目だ?・・・まあいい・・・大体、魔界全体の端から端まで、堪能させただろう・・・最後は・・・・・・・・・・・・
「ココデイイカ・・・」
最初に神卸がされた場所・・・勇者達がいる場所にやってきて、置いてやった・・・そこにいる、勇者達が絶望の悲鳴をあげる・・・ああ・・・そうだ・・・・私はこれを・・・・・見たかったのだ・・・・
そうだ・・・さらなる絶望を見せておこう・・・そうすれば、更にいい顔を見せてくれるはずだ・・・私は先程転移させた・・・魔物達を数百匹程度・・・ここに呼び出した
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「結界魔法をここまで、強めることが出来るとは・・・」
そう、創造神が言う・・・えぇ・・・まだまだだと思うんだけど・・・・
「・・・・そんな事を言ったら、我の結界が弱すぎるという事か・・・?」
いや、そうじゃなくて・・・もっと改良すれば、強くならないかなあって思っていたんだけど・・・・
「我・・・・この結界作るのに・・・万単位の月日をかけておったのじゃが・・・」
(・・・結界をこれ以上の改良は、この計画が終わって、一段落したらやろう・・・・)
「・・・・・・・のう聞いておるのか・・?」
聞いてますよう・・・・
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「いい夢見れたか?くそ野郎・・・・」
不意に、家畜の声が聞こえた様な気がした・・・次の瞬間、魔法陣が私の周りに浮かび上がる・・・いや、私所か、周りの魔物達を含めて浮かんでいる、・・・何だこれは・・・?そんな疑問を思う余地もなく・・・魔法陣が私と魔物達をとらえる・・・
「ナンダコレハ・・・」
頭では無く、口に出してそう言う・・・こんなもので我をとらえられるとでも・・・そう思い、力を入れる・・・だが、予想と反して、力を居れば入れる程、その魔法陣は強く光・・・強靭となる・・・何故だ・・・何故・・・壊れん!!
「コンナ・・・コンナモノデ・・・!!コンンナモノデェエエエエエエ!!!!」
何なんだこれは!!そんな事を考えている内に・・・周りの魔法陣の光が更に光り出した・・・・周りに居る魔物達もさらに光り出す・・・
『俺の勝ちだ!!』
光に飲み込まれる瞬間・・・そんな言葉が聞こえた様な気がした・・・・そして・・・・
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