リイムとの別れ・・・新たな脅威

「・・・本当にお主の才能は・・・すざましいのう・・・」


俺は今、計画で使う、結界を見せてもらい、俺自身もこれ使えないかと思い、結界、魔力の構造、種類を調べ、自分が使えやすい様にアレンジしたものを創造神に見せた所だ・・・時間にして10分位だろうか?


だけど、これもっと使いやすくできるよな・・・もっと魔力を節約して、魔力と結界の構造を簡略化を目指しながら、空いた所に更に別の結界を組み合わせる事で、強度を上げて・・・・


「・・・・・・のう・・・ってもう聞いておらんか・・・」


「いつもこう・・・ロイドは気になる事を見つけたら、とことんのめり込む・・・ただ、名前を覚えるの苦手だけど・・・」


「・・・我の名前、創造神そうぞうしんだって言っているのに、像の神様とか何か、よく解らない名前にされたからのう・・・それが一番大変じゃった・・・・」


えっと、ここはこうして・・・・こうなって・・・・


「だけど、ロイドのこの観察力、開発力は恐らく、今回の計画に役に立つと思うけど・・・」


「・・・・・それは確かに・・これだけ立派な結界を見れば・・・恐らく、神卸を行う一瞬で我の結界を使うより、ロイド自身に結界を張ってもらった方が、確実な様な気がして来たわい・・・」


「確実にロイドが直接結界を張った方が安全ほら、結界の精度と強度段々上がって言っている・・・結界の張るスピードも恐らく、さっきとは比べ物にならない位速くなると思うよ・・・」


「・・・・本当にそうじゃのう・・・あやつの魔法を改良をする力はすざましい力を持っておるのう・・・・・・・ところでリイム・・・いつまでお菓子を食っておるのじゃ・・・こっちに来てずっと食べている様な気がするのじゃが・・・」


よーし!もっと手を加えてみよう・・・実際にやらなければ、解らない事もあるだろうし・・・


――――――――――――――――――――――――


「・・・・本当に一瞬で覚えるとはなあ・・・長い研究で作り出した封印魔法・・・我位しか使えないと思っておったのじゃが・・・」


創造神はそう呟き、ため息を付く・・・


「理論を作り出してくれたおかげですよ・・・1から作り出すのと、0から作り出すのでは、全然労力が違いますから・・・」


「・・・解っておると思うが、この封印には自身の精神を使う・・・教えてしまって何なのだが、使う事は決してない様に・・・」


「・・・・創造神様の代わりに俺が・・・」


「何を言っておる!!まだほとんど生きてもおらん若造が!!そんな事を言うものでは無い!!それにリイムはどうするのじゃ!!お主が封印するとなれば、あやつも巻き添えになるぞ!!!」


「・・・・・・そうですね・・・すみません・・・・」


「安心せい・・・必ず我が封印してみせる・・・だから、後を頼んだぞ・・・・」


―――――――――――――――――――――――


「・・・何が、必ず封印してみせるだ・・・取り逃がしてしまう程の力量であんな事を言っていたとは・・・」


我は拳をグッと握る・・・それに意味がある訳では無い・・・ただ、自らの力の無さ・・・後は、見守るしか出来ない、自身に腹が立っていた・・・・・


「・・・・・・・ロイド・・・・別の世界のお主に頼むのは筋違いかも知れない・・・・だがもうお主しかおらぬのだ・・・・・頼む・・・・我らの世界を救っておくれ・・・・」


―――――――――――――――――――――――――――――


「ガッハッ!!」


「ハッハッハ!!ドウシタ?!マダ、セカイカラチカラヲヒキダシテモイナイゾ!!」


今まで感じた事が無い衝撃を受ける・・・・こんな攻撃を受けていたら、すぐに死んでしまう・・・


(一体化改を!!)


いつもなら、センス悪とか言いながらやるそれを・・・何も言わずに行うリイム・・・リイム自身解っているのだろう・・・一体化改を使った所で、ただの延命処置にしかならない事を・・・


「ドウシタ?!コンナモノカ?!」


俺は、必死になって絶対神の攻撃を防ぐ・・・防ぐだけが精一杯だ・・・・加えて、絶対神で既に実力差があり過ぎるのに・・・魔物達の群れが俺の周りに群がってくる・・・


一匹一匹なら、今の俺ならどうってことは無いが、数が多すぎる・・・加えて絶対神を対応するなど・・・出来る訳が無い・・・


・・・というよりあいつの声なんだよ?!聞いてて本能的に寒気がする・・・


「ホラ!ドウシタ?!」


俺は、何とか、回避を続けようとするが、周りに居る魔物達が、それをさせようとしない・・・やがて・・・彼女の一撃が俺の身体を貫く・・・


どうにかして、受け流そうとするが・・・力が強すぎて、受け流しをする事すら出来ない・・・・どの位の距離を飛ばされたのだろうか・・・軽く数百キロ先までは飛ばされただろう・・・・ようやく地面が見えて・・・・


「タダジメンニオチルトデモオモッタ・・?」


いつも間にか着地地点に居た絶対神が拳を構えている・・・やばい・・・この状態では、受け身が・・・


俺は全力で魔力と闘気で防御する・・・・だが・・・


「ソンナウスッペラナショウヘキガヤクニタツトデモ?!」


俺は飛ばされた方向の反対から殴られた・・・比喩的に言えばトラック高速でが壁にぶつかるのを想像すればいいだろう・・・ダメージはその比では無いが・・・宇宙さえ壊せるほどの衝撃を全身に受ける・・・・


(・・・回復を・・・・)


全身が壊れていくのを何とか回復魔法を使い・・・繋ぎとめる・・・・そして、衝撃を受けきった俺は何とか生き延びていた・・・もはや全身がボロボロだったが・・・・・


「クックック・・・ナントカイキラレタナア・・・」


そういいながら、絶対神は拳で受け止めていた俺を投げ飛ばす・・・そうして、先程魔界に呼び出した魔物達をこの場に転移させていく・・・万を超える魔物を転移させることもも絶対神にとっては苦では無いのだろう・・・次々に転移されていく・・・


俺はダメージから動く気力すらなく・・・ただ、投げ飛ばされ・・・魔物が転移されている所を転がって見てるだけだった・・・・


(・・・・力の差があり過ぎる・・・・)


予定外だ・・・恐らくあいつは、素の力でこれなのだろう・・・余りにも差があり過ぎる・・・魔物達の軍勢が居ようが居まいが・・・どちらにしてもほとんど結果は変わらなかっただろう・・・


ただ、避け続けられる時間が遅いか速いかの違い・・・恐らくそれ位しか違いは無い・・・


さっきまで俺は、あいつの攻撃を避けつつ何とかあいつを倒す算段を探していたが、今はそんな事を考えている余裕すらない・・・このままでは・・・死・・・・


(ロイド・・・・)


リイムが俺の中で呟く・・・そうだ・・・リイムもこのままでは・・・


(私の力を限界まで使って・・・)


(何を言っている!!)


それが何を意味しているのかは解っていた・・・リイムと俺は限界ギリギリまで同化している・・・それを更に引き出すという事は、リイムを完全に・・・・殺すという事だ・・・・


(・・・・前にも言ったよね・・・私にとってもう、ロイドは私自身なの・・・それとも、このまま、2人で死ぬ?この世界もろとも?)


確かに・・・このままでは俺とリイム所か、この世界・・・俺達が居たの世界も含めて・・・・消滅してしまう・・・・それでも・・・・・・


「クックック・・・マダカイフクシナイカ?モウマッテイルノモアキテキタノダガ・・・」


気付くと、周りの魔物達は全部転移されていた・・・・くそ!考えている時間すらないのか?!


(・・・ロイド・・・お願い・・・ロイドが苦しむ所もう見たくはない・・・何の為に頑張って来たの?苦しんでいる人、虐げられている人達を助けたいんじゃなかったの?このままじゃあ、守ろうとしていた者・・・全部消されちゃうわよ!!)


・・・・・・・・・・・リイム・・・・・すまない・・・・


(謝る位なら勝って・・・)


迷いは消えた・・・・・・俺はリイムを更に自身の中に同化させる・・・・・


「・・・?サラニチカラガツヨマッタ?」


これが・・俺の・・・俺達の全力だ・・・俺は一瞬で立ち上がり、周りの魔物達を目をくれず・・・全速力で、絶対神に一直線に向かって走る、そして・・・・・


「ガッハ!!」


全力の一撃を当てた・・・効いている・・・いける!!!


何度も、何度も絶対神に拳を打ち付ける・・・周りの魔物達がこちらに向かってきているが、関係無い・・・このまま・・・


「ナメルナ!!」


絶対神が攻撃を繰り出してくる・・・それを紙一重で躱す・・・そして、俺はまた攻撃を繰り出す・・・また攻撃をされる、躱す・・・攻撃する・・・・


魔物の攻撃は最早、俺に邪魔をすることさえ出来なかった・・・躱している合間に攻撃し数を減らしていく・・・


「ウザッタイ!!」


恐らく、身体能力は互角・・・いや向こうの方が上だろう・・・だが、恐らく相手は今まで格上との闘いに慣れていないのだろう・・・隙が多い・・・その隙の隙間を縫って攻撃をする・・・・技術面で俺の圧勝だった・・・・


「・・・・・・・・・・・アア・・・・カンチガイシテイルヤツハコレダカライヤダ・・・」


攻撃を続けていると、いきなり、俺から離れ、距離を取った・・・何だ・・・?俺が疑問に思っていると・・・絶対神が光り出した・・・


やばい・・・本能的にそう感じた俺は・・・全速力絶対神に向かう・・・・だが、先程の比では無い、魔物達の軍勢が俺の行く手を阻む・・・恐らくさっきまでは、一回の攻撃で絶対神の戦闘の邪魔にならない数までしか来ていなかったのが、絶対神が居なくなったことにより、全軍でこちらにやって来たのだろう・・・・


万を超える軍団がこちらに一斉にやってくる・・・俺はそれでも、何とか絶対神に近づこうとするが、仮にも万を超える軍団、いくら実力差があったとしても、一瞬で全部を殺しきれる訳が無い・・・


時間にしてみれば、一瞬だけど、かなりの激戦を制して・・・何とか、たどり着いたそこには・・・


先程とは比べられない程、巨大になった魔力、闘気、神気を持った、絶対神だった・・・


「ワスレテナイカイ?!ワタシガコノセカイ・・・・マカイトソウゾウシンノセカイスラシハイカニオイテ、イツデモカンジョウエネルギーヲトリダセルコトヲ・・・」


・・・・気が付くと、その絶対神の力の上がり方に呼応してか、周りの魔物達も力を増していた・・・魔力、闘気、神気・・・そして、姿も・・・より巨大により強靭により屈強に・・・そして、一匹一匹が上級神・・・それ以上の力を持っている・・・・・


・・・・・・・・何だよ・・・これ・・・勝てる訳が・・・


次の瞬間、俺は絶対神に初めて攻撃された時と同じく・・・ぶっ飛ばされた・・・・

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