地獄
僕達は、船の改造作業をしていたジュルを一旦作業を辞めさせ、皆を全員集めた、さてこれからどうやって移動をする?
「・・・転移魔法を使えばすぐに行ける・・・」
とジュル・・・何でも一度行った場所なら一瞬でその場所に行けるらしい・・・・本当にこの人は何者?そんな魔法が使えるのならと僕はお願いをした・・・一人で船の改造をしたり、完全に頼りっきりだ、申し訳が無い・・・・
ジュルが魔法を唱えると一瞬で景色が変わる・・・そして目の前には・・・・地獄があった・・・
人々は死に・・・瓦礫は山の様にあり・・・そして・・・
「キャハハハハハ!!!弱い弱い!!」
「ほらほら!!早くしないと死んじゃうよ!!!キャハ!!!」
「キャハハハ!!血しぶききれいだね!キャハ!!」
化け物達がそこにはいた・・・いや姿形は人間だ・・・だが、やっている事は完全に常軌を逸脱していた・・・人、獣族・・・他の種族達の皮をはぎ・・・死にかけの人達に武器をさして笑い合い・・・血を見て奇麗だと言い合っている・・・そんな光景・・・ああ・・・これを地獄だと言わず何と言おう・・・
ルザー達が何か喋っているが聞こえない・・・・あっ魔族達がこっちに・・・
ルザー達が飛び出す・・・だが、全員すぐに追い詰められる・・・人数が多すぎるのだ・・・味方所か生きている人間がいるかもわからない状況・・・駄目・・・これじゃあ・・・そう思った瞬間!私達以外の全員が光り出した・・・
――――――――――――――――――――
「これはやばい・・・」
そうダールが言い放った・・・いつもはお前達で頑張れと言うダールがそう言うとはかなりやばい状況だ・・・
まあ・・・絵面の時点でやばいが・・・ルウェール、ナール、ヴァエの3人が今にも気を失いそうだ・・・
「数が多すぎる!」
そう言われなくてもわかる・・・生きてる奴のほとんどはダエイの鎧を着ている・・・恐らく全員魔族なんだろう・・・
「・・・お前達・・あの力を使え・・・」
そうダールが言い放った・・・
「いいのかよ・・・」
「・・・いつかは戦闘に慣らす為に本番前に練習するつもりだった・・・それが実戦になったと言うだけだ・・・」
「そうじゃなくて・・・勇者・・・これを使ったらさすがにあいつでも解るだろう・・・それに、あいつらにばれるんじゃないか?」
本来なら喋っている時間さえないだろうが、これだけは確認しなけらばならない・・・勇者にばれない為に今まで隠れて修行をしていたのだから・・・
「・・・・・・・我達は元より喋っても構わん・・・問題はお前達では無いか?・・・あいつらに関しては少ない出力ならすぐにはばれないだろう・・・というより、その為のお前達だ・・・」
喋っても構わん・・・そう言われて言いよどむ・・・確かに言わないでと言ったのは俺達だ・・・だが・・・
「・・・いつまでも黙ている訳にはいかねえ・・・解った終わったら喋る・・・いいなルウェール・・・」
そう言うとルウェールは頷いた・・・ありがとうな・・・一番伝えたくないのはお前だろうに・・・そうこうしている内に魔族達がこっちに来やがった!!
「俺が先に突っ込む!後のシンクロは頼んだぞ!!」
そう言って俺は突っ込む・・・そして、魔族に切りかかったのだが・・・
(速い!!)
この前の魔族よりスピードが速くて固い剣の刃が通らないし、まず早くて当たらない・・・強い・・・それどころか数が多いから逃げ場すらない・・・連携の技術がこいつ等に無いのが救いだが・・・能力の差に圧倒されてしまっている・・・
(まだか・・・)
本番では早めに準備する事により、時間の誤差を無くす予定だが、今はさっきシンクロを始めた為、時間が掛かっている・・・は・・や・・く・・・そう思った瞬間俺・・・いや俺達の身体は光・・先程と比べ物にならない程の力を感じた・・これなら・・・俺は目の前の魔族に闘気を纏った剣で切りかかる!今度は一閃で真っ二つにすることが出来た!次々に切っていく!!
横目を見るとナールとヴァエもキチンと闘えている・・・まだ練習をして半月なのにすごいな・・・さすが、エルフとダエイの騎士だ・・・そうこうしている内に戦いは終わる・・・・何人か逃げたかもしれないが・・・仕方あるまい・・・取り合えず今は街の人達が先決だ・・・
ルウェールが街の人達に回復魔法をかける・・・だが、人々の瞳には絶望しか映っていなかった・・・呆けているもの・・・頭を掻きむしっているもの・・・笑っているもの・・・・地面を叩いているもの・・・吐いているもの・・・叫んでいるもの・・・・
「何で!!私達が何で・・・!!」
そう・・・女性が吐き捨てる・・・恐らく原因は・・・・
ふと、視線に気が付く・・・勇者だ・・・
「・・・・ねえ・・・ルザー・・・さっきのって神の力だよね・・・あれって何・・・?」
・・・・・・・ああ・・・・・・・・本当に時間が止まればいいのに・・・・・・・・・・
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