激戦
俺は今絶対的なピンチに立たされていた・・・
「はっは!どうしたどうした!!」
先程、人間達を犠牲にして降臨した神・・・
その神は見た目は美しかった・・・体系も均等なプロモーション・・・はっきり言って芸術品と言ってもいい程整った身体・・・
だがその美しいはずの神は・・・今顔を恐ろしい程、歪ませ・・俺を殺しに来ていた・・・
あっちこっちから魔法が飛び交う・・・
気が付けば、俺を存在自体・・いや世界そのものを消滅させようとする攻撃が襲う・・・
俺は俺だけに攻撃が向くよう・・・周囲と世界を隔離させた・・・こんな攻撃を周りにされてしまってわ!父上、母上・・・ジェニー・・・グバンダ師匠、ファル・・・この場に居る、皆一瞬で消滅してしまうだろう・・・下手をすれば、この世界そのものを・・・
だが世界を、俺の結界で隔離させたおかげで世界は影響を受け無くなった・・・
だが・・・俺自身隔離する為にほとんどの力を使ってしまい、今は避けるのが精一杯であった・・・
「それにしてもウジ虫にしてはやるなあ・・・さっきから世界そのもの消滅しようとしたら、私自身・・・世界から隔離されちまうし、お前自体を消そうとしても躱されるか打ち消されるかされちまう・・・ああ本当・・」
神の顔が更に歪む・・・
「憎たらしいウジ虫だ!!」
更に攻撃の速度が上がる・・・このままだと負ける・・・そんな事が頭をよぎる・・・
・・・だがしかし、そこまで追い詰められても、俺は落ち着いていた・・・・リイムから事前に聞いていたのだ・・・この位予想の範囲内だ・・・
(リイム頼む)
そう言って、俺達は一体化を更に強める・・・
リイムと話した神との勝負に勝つ方法、それは相手が持っていない力を強めるという事だった・・・
本来、神は契約をする必要性が無い・・それだけで完成されている存在の為、契約をする必要性が無いのだ。
第一、神はこの物質世界に縛られていないのだ・・・だから、神々は世界に召喚される時以外は、神々の世界で過ごせばいい・・・
そこの世界では精神体でいるのは当り前である為、何かと契約して依存するなどあり得ないのだ・・・
だからこそ、俺とリイムは本契約で手に入れた、一体化による能力向上の練度をあげた・・・
まあ、やっている事は、精神をリイムと合わせ、更に一体化を強めるという事なのだが、これをする事により、俺の姿形も変わってくる・・・
・・・・より筋力を手に入れ・・・より魔力を充実させた身体に・・・そして・・・性別も・・・
・・・リイムは俺と契約した時、女性になったのだが、この一体化を強めた状態の俺の身体の性別はは中性的になる・・・まあ、簡単に言えば男でも女でもなくなるという事だ・・・
この状態を俺は一体化改と名付けた・・・
(センス悪・・・)
一体化をしたリイムから何か呟きが聞こえたが気にしない!
とにかくすざましい力を手に入れた俺だが、デメリットもある・・・
・・・この一体化改は余りにも時間をかけすぎると、本当の意味で一体化してしまい、リイムと分離できなくなってしまのだ・・・
簡単に言えばリイムの自意識が無くなり消滅してしまう可能性がある・・・なので、時間も余りかけて居られない・・・
俺は魔法で作った剣で何度も切りつける・・・相手は闘いなれていないせいなのか、魔法をめちゃくちゃに放ってくる・・・どれだけ威力を持っていようが、当たらなければ意味がない・・・俺は全てを避ける・・・
「ああ!!うっとおしい!!!」
何度目かの切りつけの後、神はおびただしい力を・・・俺が作り出した隔離した空間全てに満たした・・・
(これは・・・やべえ・・・)
俺は、隔離した空間全てに力を満たされた為、回避する場所が無くなってしまった・・・
・・・俺は慌てて自分の周りだけでも力を打ち消そうとするが、余りにも圧倒的な力な為、全てを打ち消す事など出来ない・・・そして・・・・
―――――――――――――――――――――――
・・・夢を見た・・・その夢の中では、リイムと俺が居て、その空間には二人しかいいなかった・・・
・・・リイムが魔法でお花畑を作る・・・そしてお花で冠を作って俺にかぶせてくれる・・・・
何だか、それが可愛らしくて、愛おしくて俺は、リイムの頭を撫でる・・・
ああ、こんな風な平和な世界が・・・あれば・・・
そう考えた瞬間、俺の意識は覚醒をした・・・
「ウォオオオオオオ!!!」
俺は叫んでいた・・・いつの間にか夢は覚めた・・・その瞬間俺はすざましい力を周りに放出させていた・・・
この力が何なのかは解らない・・・だが、今がチャンス!!
そう思い・・・俺は溢れ出る力を使い、神の力を自らの力で中和させた・・・そして、そのまま、神に向かって突っ込んでいた・・・
「なっ・・・・・?!」
何だか、神が驚いている顔をしているが関係ない、俺は魔力で作った剣をさらに魔力を圧縮して固め・・・思いっきりぶつけた・・・
とてつもない音、爆撃機が爆弾を落とした中心地はこんな音がするのでは無いかと言う音・・
俺自身体感はしたことが無いのだから予測しかないのだが、そんな音がした・・・
そして・・・土煙が張れると・・・そこには神が立っていた・・・
「ぜえ・・・ぜえ・・・」
・・・神は生きていた・・・ダメージを与えたようだが、致命傷では無い・・・
しかし、俺は先程の攻撃でもう既に力を使い切っていた。恐らく、限界ギリギリまで力を振り絞っていたのだろう・・・だから、あれ程の攻撃が出来たのだ・・・
だから今は・・・地べたに這いつくばる事しか出来なかった・・・
「絶対殺す!!」
もう・・・闘えない・・・そんな事が頭を掠める・・・そう思った・・・だが・・・
「・・・ちっ!何だあ!こんな時に・・・ああ!!・・・何だって!!!・・・・・・・・・・・・・・解った・・・これが、終わったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちっ分かったよ!!」
神が何かを呟いたかと思うと・・・俺達の方に神が顔を向けてこう言った・・・
「今回は!用事が出来ちまったから引く!!だけど!!次会ったら!!!絶対殺すからな!!!!!」
そういうと、神は一瞬で目の前から消えた・・・後には・・・ボロボロになった俺と・・・今にも消えそうになっている分離したリイムだけが残った・・・
―――――――――――――――――――
私は苛立っていた・・・世界に降臨した後、すぐに始末してやろうと様々な攻撃をしてやったが全てが躱されるのだ・・・
本当はこの世界ごとすぐに消してやろうとしたが、空間ごと世界から隔離され、それも出来なくなっちまった・・・
しかも・・・しばらく攻撃を繰り返していたら!何か、あいつの身体が光って、体自体変化したと思ったら、能力まで向上して私に攻撃までしてきやがった・・・
ああ・・・苛つく・・・・だったら、本気見せてやるよ!!私はあらん限りの力を隔離された空間で満たした・・・・
・・・これなら、絶対に回避できまい・・・こんなウジ虫に本気を出すことになるとは・・・そう思いながら、私は勝ちを確信した・・・だが・・・あいつは・・・
「ウォオオオオオオオオ!!!」
いきなりウジ虫の身体が光り出したかと思うと、思いっきりこちらに突進をして来た・・・
・・・何なんだよ・・・私の全力を出させて・・・何で・・・・生きてる・・・・ウジ虫の分際で!!
私は咄嗟に防御した・・・だが・・・全ての攻撃の衝撃を受けきれなかった・・・そして・・・
「ぜえ・・・ぜえ・・・」
私はダメージを受けた・・・何でだ・・・私は神だ・・・・目の前に居るのはウジ虫である、地面を這いつくばって生きる事しか出来ない生物なはず・・・・なのに・・・何で私がダメージを受ける・・・
・・・ウジ虫相手に私が・・・ゼッテ―こいつは・・・・
「絶対殺す!!
そう叫んだ瞬間・・・別の神から念話が届いた・・・
「・・・ちっ!何だあ!こんな時に!」
私は苛立ちながらも、念話を受信する・・・
『カニル聞こえるか!何をやってる!戻って来い!』
「ああ!!」
フェイルの野郎か・・・こんな時に何の用だ・・・?
『帰還命令だ・・・』
「何だって!!!」
何だってこんな時に!!!
『お前、今どんな時期か解っているのか?出撃命令を受けたんだよ・・・神同士の争いのな・・・』
「解った・・・これが、終わったら・・・」
そうだ、こいつ等を殺したら・・・
『何をやっているか知らんが、これは絶対命令だ・・・私も上の方から指示を出されているからな・・・』
「・・・ちっ分かったよ!!」
『相変わらずだな・・・とにかくすぐ戻れ・・』
そう言って通信は切れた・・・
「今回は!用事が出来ちまったから引くよ!!だけど!!次会ったら!!!絶対殺す!!!!!」
私はそう言って、この世界を離れる・・・ああ・・くそ・・・イライラする・・・
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