神の召喚

何が起きている・・・そう思った・・・勝てる戦争じゃなかったのか・・・そう悲観した・・・


周りは地獄絵図・・炎は渦を巻き・・・氷で覆われ・・・突風で吹き飛ばされ・・・雷鳴で辺りが真っ白になる・・・生きているのが不思議なくらいだ・・・


神の加護があるから勝てる?そんなのよ迷いごとだ・・・現に相手が神の様な力を持っているでは無いか・・・逃げ・・・


『どこに行く・・・』


頭の中に声が響いた・・・


『お前達に逃げは無い・・戦え・・・・』


そんな事・・・無理だと続けようとして・・頭の中の声がさらに大きくなる・・・


『戦え!戦え!!戦え!!!・・・・』


俺は頭を押さえながら倒れる・・・いや俺だけでは無い・・・周りの人達も倒れだした・・・


『戦わないのなら・・・』


頭がさらに痛くなる・・・


『糧になれ!』


その言葉が俺の聞いた最後の言葉だった・・・


―――――――――――――――――


俺は人を殺さず、戦意だけを失わせる攻撃を続けた・・・うん、我ながら地獄絵図だなこれ・・・勇者パーティーのメンバーすらどうすればいいのか解らず棒立ち・・・エブエだけ抵抗しているな・・・雷当てるか・・・あっ気絶した・・・


そんなこんなで・・しばらくすると逃げようとする人が続出した・・・よしこれなら殺さなくてすむ・・と思ったのは束の間・・・逃げようとした人・・・いや棒立ちしている人も含めて頭を抱えだした・・・何だ・・・まさか・・・・


(だから、無駄だって言った)


そう・・・リイムが言う・・そうか・・・


リイムは常に言っていた・・・人間達が負けた場合、神が何をしてくるか解らないと・・・下手をすると加護を付けた人間を生贄に自らを召喚儀式をする可能性があると・・・


そうなると、以前父上とジェニーが行った神の召喚の比では無い力を持って神が召喚されるだろうと・・・


父上とジェニーが行った召喚はあくまで神を仮初の肉体で意思だけこの世界に召喚したもの・・・だが、100万もの人間達が生贄に召喚されるそれは・・・・


「きゃは!やっと会えたねえ!!ウジ虫!!!!」


神の力を具現化された、本物の力を持って召喚されるであろうと・・・・


―――――――――――――――――――――――――――――


100万の兵士、私の加護、歴代勇者以上に加護を与え実力をあげた者達・・・特に勇者はあの子供の魔族に凄い恨みを持っていたから特別サービスに1000倍もの加護をあげた・・・まあ、おかげで一カ月いきてられるかどうかの寿命になったが、あの魔族をこれせれば本望だろう?キャハ!


そう思っていたのだが・・様子がおかしい・・・あの子供の魔族が青年の姿になっていたのもそうだが、あの感じ私達神の力と似ている・・・もちろんそれは私達にとって小さなものだが、あの世界では莫大な力となる・・・・現にあれだけの力を与えた勇者はやられ・・・それ以外の者達も恐怖で戦意を失った・・・


私は何とか戦わせようとしたが、完全に心が折れてしまった人間は言うことを聞かねえ・・・・じゃあ、しょうがねえよな・・・私が直々に出向かないとな・・・


私はそいつらの所に向かう為に加護を与えた人間達を・・・・消した・・・・


「きゃは!やっと会えたねえ!!ウジ虫!!!!」


そう・・こいつ等は虫・・・奴隷の癖に生意気にも神の力を持っている害虫・・・駆除しなければならない・・・駆除駆除駆除駆除・・・・ああ・・・この世界は本当に虫が多い・・・・

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