戦争開始

戦争をする・・・そう言われて、一週間後、俺は今開けた荒野にいた。周りが岩だらけな場所だが、人間の兵士達は、ここにやってくるらしい・・・


そういえば、ジェニーが見当たらないのだが・・・どこに居るのだろうか・・・?


「ジェニーは何があった時にすぐ対応できる様に潜ませている」


と父上が言って来た・・・潜ませているって・・・潜ませられる兵士がこちらの方に居るのだろうか・・・


こちら側の兵士は5万いや、5万すら切っていると父上が言っていたのに、向こうは10万の兵士、本当にこの戦争大丈夫なのか?そんな不安が頭によぎる・・・


そんな不安を抱えながらも戦争が始まった・・・


始めに、向こう側の兵士が飛び出してきた・・・・!!


途轍もない数の人間・・・そして、初めての戦争で俺が頭の中で、混乱していると父上が・・・


「お前はここで待っていろ!」


と言って、戦場の中にかけていった・・・


俺も行かなくてはいけないのに・・足がすくんで動けない・・・こんなものだったのか、俺の覚悟は・・・力を持っているのだから、皆を守るんじゃないのか!!


そう思うのだが、身体がどうしても動かない・・・


そうこうしている内に・・・戦争が始まる・・・


父上が向かって来た人間の一人に剣を振るう・・・大勢の人間達の一人に父上の剣が当たった・・・


その瞬間人間が途轍もない爆音と共に爆発をした・・・えっ?


俺がほおけていると、あちこちで途轍もない威力の爆発が起きていた・・・・しかも、全てが人間一人一人を攻撃すると起きている様だ・・・


何だこれは・・・?何が起きている・・・?


俺が余りの出来事に思考を停止させていると・・・


『ロイドは拠点で待ってなさい!!』


どこに居るのか、ジェニーが念話でそう言ってきた・・・


待っていろ・・・?


皆が父上が・・・グバンダ師匠・・・ジェニー達が今にも爆発に巻き込まれるかもしれないのに、待っていろ・・・?


そんな事出来る訳が無い!!


・・・俺はなけなしの勇気を振り絞って、爆発が続いている戦場の中に行こうと魔力を高めたその瞬間・・・・・


俺達の陣営の真後ろに巨大な魔力が現れたのに俺は気づいた・・・


何だ・・・この魔力は・・・父上と互角・・・下手をすれば、それ以上だ・・・!!


・・・俺は咄嗟に人間達が爆発している所では無く・・・


・・・先程いきなり現れた魔力を出している者達の方に飛び出した・・・


・・・あんな巨大な魔力を持っている者、もし敵なら大変なことになる・・・


俺は、必死になって、巨大な魔力がある所に向かう・・・


・・・だって、この俺達の陣営の兵達はほとんど前衛に行ってしまったのだ・・・


もし、これで挟み撃ちにされたら、一瞬で全滅をしてしまうのだから・・・


――――――――――――――――――――


吾輩は今後悔していた、相手の戦力を見くびっていた事に・・・戦力を5万で大丈夫だと勝手に判断し、慢心していたことに・・・


先程、吾輩が一人の兵士に切りかかった所、大爆発を起こした・・・


何とか障壁を張って爆風を防ぎ、無傷で済んだが、最初何が起きたのか解らなかった・・・


見ると、他の場所でも爆発が起きている・・・よく見ると、全部が、人間に攻撃をすると、爆発しているのが、解った・・・


こいつ等全員爆発するのか!!


やばい!!これだけの人数があれだけの規模で爆発をしたら、いくら精鋭部隊だとしても大打撃を受けてしまう!!


吾輩だからこそ、無傷だったが、他の者があれを受け無傷で済むはずが無い!!


吾輩はそう判断し・・・他の者達の援助に行こうとした所・・・


1人の男が我の前に来て、剣をいきなり振り下ろした・・・!!


我は慌てて自らの剣で受け止める・・・何だこいつは・・・すざましい神の加護を感じる!!・・・勇者か?


いやこの感じ勇者では無い・・・


長年相対してきた我は勇者かどうか見ればある程度解るようになっていた・・・


だが、だとするとこいつは何だ?


どうして勇者でもないのに・・・こんなに神の加護を放っている・・・


そう思っていると・・・その男は吾輩に切りかかってくる・・・!!


くそ考えている時間も無いのか・・・


その男と切り結んでいると・・他の兵士も切りかかってくる・・・・・・・・・・・


何だこの強さは・・・一般兵士の強さでは無い!!・・・まさか・・・我は周りの兵士を見渡す・・・全員に神の加護が付いているでは無いか・・・一人一人は目の前の男ほどではない・・


だが、それでも、普通の兵士には脅威になる程、強力な加護を持っている・・・これが!!10万人全てに付与されているだと!!!


我は加護のすざましい加護を持った男を相手しながら、他の兵士を切りつけながら闘う・・・


爆発はするが吾輩は障壁で食い止める・・・


だが、加護を持った男は爆発の影響を受けず・・・我が爆発を受け止める為に、魔法を使った、その瞬間に切りつけてくる・・・


(こいつらはこの爆発が効かないのか!!!)


そうなってくるとやばい!!


相手は爆発に気を付けなくてもいいのに対して、我は周りの兵士と爆発に対応しなければいけない・・・


このままではじり貧である・・・そんな中、後ろから魔法が飛んできて、人間の兵士に当たる・・・


『援護します』


ジェニー・・・ロイドのそばに居ろと言っておったのに・・・感謝する・・・


ジェニーの援護を受けながら吾輩は戦場を駆け巡り敵の数を減らしていく・・・


まだ見ぬ勇者に不安を感じながら・・・


―――――――――――――――


俺の名はグバンダ、一応軍の総括を務めさせてもらっている・・・


そんな俺だが、今割とピンチだ・・・普段ならどうってことが無い人間共が恐ろしく強い・・・しかも相手は倍以上の人数だ・・・


しかもこいつ等、切りつけると爆発する・・・俺は何とか回避したが部下達がそれで何人か巻き添えを食った・・・


俺は仲間達に指示を出しながら、何とか戦線を維持する・・・・・


弱気になるな!俺は元とは言えロイドの師匠だろうが!!!そう己に叱咤しながら何とか切り抜けていく・・・


自らの部下の命を減らしながらも維持を続けるが、俺すら相手をするのが厳しい奴らを部下達が相手に出来る訳もない・・・・


どんどん戦線は後退して行く・・・・・・・・・こいつ等どんどん突っ込んでくる死ぬのが怖くないのか?!!


このままだと、一日持たないんじゃないか・・・そんな不吉な考えが俺の頭をよぎっていく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る