学園の武闘大会(大会に出るとは言っていない)
さて、入学して半年たったのだが、何でも、この学園で武闘大会が開かれるらしい。
初めての学園の行事、ものすごく楽しみであった・・・・
あった・・・そう過去形・・・・何でも、俺は参加できないらしい・・・
何でも、校長、直々に・・・
「お主は、強すぎるから、出てはならん!!下手をすれば!!死人が出るからのう!」
と言われてしまい・・・断念・・・
ならば!せめて!!魔法で作った疑似的な身体・・・スライムの身体なら参加できるのでは!!
これならかなり俺自身弱くなる・・・その強さは数百分の1位の実力まで落ちる・・・しかも両腕りょう足すら使えることが出来ない!!・・・これなら・・・
と思ったのだが・・・ジェニーに・・・
「これでも、ドラゴン位の強さがあるから・・・。」
と言われてしまった・・・まじですか・・・・
このスライムは、俺が強さをコントロール出来ないという事で、父上が手加減の練習用として作ってくれたスライムを参考に作ってみたのだが、これでも強いのか・・・・
ちなみにこのスライムでどんな練習をしたかと言うと・・・
スライムを父上が作り出し・・・
「このスライムを消滅させず、戦闘不能で終わらせてみろ」
と言われ・・・俺は、何度も、スライムと闘いました・・・・
1度目の対峙・・・攻撃をした所、スライムが蒸発しました・・・飛び散るでは無く、蒸発です・・・しかもひとかけらも残さず・・・
これには、父上も、目を点にしていました・・・
2回目・・・力を抑えてやりましたが、これも蒸発・・・・
10回目・・・何とかスライムの身体・・・・一欠片を残すことが出来た・・・
50回目・・・少しずつ、スライムの破片が残る様になってきた・・・
100回目・・・蒸発することにより飛び散ったスライムの欠片が減る事は無くなった・・・
恐らく、スライムの破片をかき集めれば、先程のスライムと同じ体積の欠片が手に入るだろう・・・
それから・・・数百回の対峙・・・下手をすれば、1000回を超えそうな練習の結果!
俺はついに、スライムを潰すことなく・・・原型を残したまま、戦闘不能状態に出来たのだ・・・・!!
・・・・まあ、本当に奇跡的に一回成功しただけなので、もう一度やれと言われて、同じことが出来るかは解らないけれど・・・
・・・考えてみれば、そんな状況の自分が武闘大会に出れる訳が無かったな・・・
俺が出たら、下手をすればこの大会で死人が出る・・・だけど、初めての学園のイベント出たかったなあ・・・
そんな思いが通じたのか、選手として出れない代わりに俺は、開会式のデモンストレーションとして、父上と模擬戦をすることになった・・・
まあ、その代わりに、デモンストレーションで闘う際は、自分達で結界をかけて、客席に絶対闘いの余波がいかないよう厳重に言われたが・・・
何でも、コロシアムに掛けられている、結界じゃ、俺達の力を抑えきれないらしく・・・その為、結界も自前で用意しなければいけないらしい・・・
確かに試験の際、俺の初級魔法で壊れていたもんな・・・結界・・・
ちなみに、俺と一緒にデモンストレーションをする父上からは全力では戦わず、流す位の気持ちでやれと言われた。
・・・・むしろ全力は絶対に出すなと父上にまで言われた・・・(酷い・・・)
・・・とは言え、一応これで、大会に形だけでも参加する事になったのだ・・・
少しは気合を持って挑まないとな・・・・
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それから月日が流れ・・・・
大会当日・・・俺は、デモンストレーションとして、父上と闘った・・・
とは言え、結局・・・本当に軽く動いただけで、終わってしまったのだけれども・・・気合を入れて挑むとはいったい・・・
肝心の試合内容は、初めに、剣に闘気を流して、剣同士の打ち合いから入り、次に魔法だけの闘い・・・最後は魔法と剣の複合の攻撃を2人で打ち合って終った・・・
もう少し、力を入れても、良かったと思ったのだが、父上がかなり手加減をしていたのが、解ったので、俺もそれに合わせて闘った・・・
・・・かわりに、見た目が派手な魔法や大振りをして、見る人を楽しませるように工夫して闘った・・・
やり方は、父上がその様に動いていた為、俺自身もそれを真似してみたのだが・・・上手くいったのだろうか・・・・
模擬戦が終わった後、なぜか、会場がシーンと静まり返っていた・・・
失敗したか・・・・?いや、それでも、この静けさは異常じゃないか・・・何で、誰も喋らないんだ・・・
失敗をしたら、その事に対して、少し位喋ったりする筈・・・何で・・・?
そう思っていると・・・いきなり、大きな拍手と声援?(あまりにも大きくて聞き取れなかった)のような声が観客席からあふれだした!!
はっきりって爆発したと言ってもいい!!それ程の大音量だった!!
後から教えてもらったのだが、何だか、解らないけど、俺達の試合は好評だったらしく・・・
今回は、試合前にデモンストレーションを行ったのだが、来年は盛り上がるように最後にやってくれと校長にまで言われた・・・
・・・来年も、俺は選手として登録できないのですか・・・そうですか・・・
まあ、確かに俺自身・・・その後の、生徒の試合は余り印象に残ってなかった・・・
ほとんどの生徒達の闘い方が、俺やグバンダ師匠が教えた技術か、知っている魔法しか使っていなかったのだ・・・仕方が無いだろう・・?
どちらかと言えば・・・屋台のまずい焼きそば?らしき食べ物の方が印象に残っていた・・・
結局、俺は、余り印象が残らないまま・・・そのイベントは終わってしまった・・・
・・・そんな平穏な日々が・・・長くは続かないことを知らずに・・・
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