学園入学

入学試験の際、試験会場に居た全員を吹き飛ばしてしまった俺は、急いで範囲回復魔法を掛けながら全員を救出した。


やばいと俺は思ったのだが、こんな騒ぎを起こしてしまった俺に対し、周りは誰も何も言わなかった。


ただ一人校長が・・・


「・・・合格・・・」


とぽつりと呟いたのが聞こえただけであった。


・・・俺かなり手加減して初級魔法しか使っていなかったんですが・・・家に帰ってら試験について、もっと手加減をしろと!


父上に怒られたのは言うまでもなかった・・・


いや!手加減めちゃくちゃしましたよ!!本当に!!


校長だって恐らく、手加減というか、油断をした為に、こうなっただけで!始めから本気で来られたら、俺なんて一溜りもなかったのはずだ・・・そう言ったのだが、父上には聞いてもらえなかった・・・


文官の父上何て、武術に特化した所に居る校長の方が強いに決まっている・・・なのに、何で聞いてもらえないんだろう・・・・


そう思って落ち込んだのだが、一応、校長から、合格という言葉は貰っている・・・・


まあ、何だかかんだあったが、とりあえず、入学は認めてもらったのだ・・・頑張らなければ!!


そして、俺は他の新入生同様・・・年はじめに学校に通う事になった・・・・周りは10歳以上と聞いているけど、俺の身体5歳で馬鹿にされないだろうか・・・


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


それから、月日が経ち、入学式当日になった・・・


学校に通う際、首都カールに行く方法は転移魔法で行く事にしていたのだが・・・


本当にこれは便利だ!!これなら絶対に迷わない!!


転移魔法で一瞬で目的地に着いてしまった!!時間にして、1秒もかからないだろう!!


今度からしばらくは家から通う事になるので、魔力だけで移動できるこの魔法は本当に助かる・・・


まあ問題点として、この転移魔法は一度行かないと座標が解らない為、一度も言ってない所は、自分の足で行かなかければ行けない所だが・・・


その所為で、最初に首都カールに行くときは、この魔法は使えなかった・・・


その代わり。一度目的地に行けば、座標を得ることが出来る為、何度でも魔力がある限り、転移魔法を使っても問題ない!!


まあ出来たら、いずれ、一度も言ったこと無くても、転移魔法を使える様にしたいものだが、それは将来の課題という事で・・・


そんな事を考えなていると学園外の広場に全員が集まり出した・・・


何でもここで、入学式を行うらしい。それにしても凄い人数だ・・・


ただ・・・周りを見てみると、俺と同じ年の人は全くいない・・・まあ、肉体的には年下だがはそうだが精神年齢は20を超えて年上だ・・・気負っていても仕方がない・・・


そんな事を考えていると、入学式が始まった。


・・・校長先生が何か喋っている・・・だが、何だか、話を聞いているとだんだん眠くなってきた・・・・校長戦線の話って眠くなるよな・・・


そんな事を思っていると・・段々思考が落ちていき・・・そして・・・


「・・・ド、ロイド!!!」


校長が俺の名前を呼んでいる声を聞き!!意識が覚醒をした!!!


・・・はっ!やべ!!呼ばれている!!!入学式が始まったのはいいが、話が長くて、寝てしまっていた!!


俺が慌てて呼ばれた方向を見ると壇上で校長が手招きをしている・・・


何だ・・・?俺呼ばれているのか?!


何だかよく解らないが・・・壇上に呼ばれているみたいだし、行かないといけないよな。


俺は意を決して壇上に行った。


そして、何故か校長の隣に行かされた・・・そして・・・


「先程、説明した、ロイドだ。この者は特別生として入学をしてきた」


(えっ・・・?!それ初耳なんですけど!!特待生?!!)


俺が驚いた顔をして校長を見る・・・


だが、そんな俺を無視して、校長は更に話を続ける・・・・


「先程説明した通り、彼は武術の面で英才教育を受けておる。くれぐれも、敵対、いや模擬戦も行おうとしないように」


へっ?!俺模擬戦・・・出来ないの・・・?!待って!!俺!!外の世界の人達がどれだけ強いのか結構楽しみにしていたんだけど!!!


えっ模擬戦も出来ないの!!俺が混乱している内に更に校長が衝撃の事実を言って来た・・・!!


「この者の武術に関する授業は免除または指導の立場という形での参加になる」


ちょっと待って!!俺が教える立場!!?それってどうなの?!この学園、武術に特化した学校って聞いていたんだけど・・・それを教えてもらわないで教える!!?俺何のために学園に入ったの?!!


・・・本当に・・・少し待ってくださいお願いします!さっきから聞いてない情報ばっかりなんですが・・・やばい・・・頭が更に混乱してきた・・・


「もし、この者と模擬戦を行いたい者がおれば儂に勝って了承を得てから行うように以上」


いや・・・確かに、校長に合格って貰ったけれど・・・校長あの時、本気じゃなかったでしょう・・・?ねえ・・・何で儂より俺の方が強いって言う言い方して話を締めたの・・・・?!ねえ・・・!!


そんな俺の思いも届かず・・・校長は壇上から降りた・・・それに倣い俺も降りる・・・


まじで、俺が教えるの?!!!!


俺は心の中で盛大に叫んだ!!!


入学式の次の日、教室に行った後のだが、すぐ校庭らしき所に移動した・・・何だか、早速外で何かをするらしい・・・


だが、またしても、説明が長く・・・俺は段々と眠くなってきた・・・


長々と喋っているのを半分眠りながら聞いていると・・・不意に聞き覚えがある名前が言われた・・・


「~~~グバンダ様が~~~」


グバンダ師匠?!何でここでグバンダ師匠の名前が?!!


その名前が出た瞬間眠気が吹き飛んだ・・・


俺が急いで話をしている先生の方を見ると、隣に・・・グバンダ師匠が居た・・・えっ何で師匠がいるの?!!


すると、グバンダ師匠が俺を手招きしているでは無いか・・・えっ前に出るの・・・?!


俺が師匠の指示を断れる訳が無く・・・仕方なく、前に出て行った・・・すると、師匠が・・・


「これから、模擬戦の見本を見せる」


そう言って、俺に木刀を渡してきた。


えっと・・・


「俺が師匠の相手をすればいいのですか?」


俺がそう師匠に聞くと、師匠が俺の近くへやって来て、俺の耳の近くでこう言ってきた・・・


「ああ・・・その通りだ・・・武器で使っていいのは木刀のみ・・・後、魔法は使ってはいけない・・・使えるのは闘気のみだ・・・後、これは重要事項だ・・・絶対に手加減するように・・・本気で本当に手加減するように!!周りと・・・俺の為に・・・絶対にだ!!」


と言われた・・・まあ、久しぶりに師匠と模擬戦するのは構わないが・・・本当にどの位ぶりだろう・・・下手をすれば2年位たっているよな・・・いやあ・・・楽しみだ!!


本気の師匠を見ないで父上と闘っているからなあ・・・一度でいいから、本気のグバンダ師匠を見てみたいが、忙しいのだろう・・・


2年もの間一度も闘っていないのだ・・・取り合えず、文官である父上に勝手から再度挑もうとしているのだが・・・父上に一度も勝てる見込みが無いんだよなあ・・・


・・・そう言えば、さっき俺になんだか手加減するように念押しをしてきたが何でだ?!師匠なら、俺の攻撃何て簡単にいなせるだろうから、そんな必要性無いと思うんだけど・・・


まあ、一応、俺教師という立場だから・・・他の生徒が見本として見やすいスピードで攻撃をしなければいけないんだろう・・・・


見本と言うのは、全員がゆっくりと観察できなければいけない・・・だから、手加減をしなければいけないんだろう・・・俺は師匠の言葉の意味を理解し、うんうんと頷いた・・・


そして、俺は、師匠に言われた通り、模擬戦をする為に師匠に対し構えた・・・


俺はグバンダ師匠を注意深く見ながら模擬戦の合図を待った・・・


そして、さっき、グバンダ師匠の説明をしていた別の剣の先生が・・・


「始め!!」


と言った・・・次の瞬間、俺は木刀に闘気を流して強化した・・・!


木刀の強化と言っても本当に木刀がすぐ壊れないように強度の強化する為だけに闘気を使った為、その使われている闘気自体、微々たるものだ・・・


俺は、手加減と言われたので、闘気での強化は一切行わず、俺は素の力だけで、グバンダ師匠と打ち合う事にした・・・だけど、それだけで見やすいだろうか・・・?


俺は、素のスピードを更に落とした・・・これ位落とせば、更に見やすくなっただろう!!


俺がそう思い、そのままグバンダ師匠と打ち合いをする・・・何だか、グバンダ師匠・・・思いっきり汗をかいていますが・・・調子が悪いのでしょうか?俺はさらにスピードを遅める・・・


そして、そのまま十数回打ち合ってると・・・


「終わりだ」


とグバンダ師匠が言ってきた・・・・すごい汗ですが、大丈夫ですか?!


「・・ぜえ、、この様に、、ぜい、、極めれば、、ぜえ、見えないスピードで攻撃も出来るようになる、、、ふう、、はあ」


見えないスピードって・・・俺・・・めちゃくちゃゆっくり動いてましたが・・・


というより本当に師匠大丈夫なのですか?!さっきから具合悪そうなのですが・・・?!!


そんな心配をよそに、段々と師匠の息遣いが戻っていく・・・良かった・・・しかし、いきなり息切れするとは、師匠に何か持病でもあったのだろうか・・・


後で聞いてみようか?そんな事を考えていると・・・


「・・・とにかく剣技において大事なのは実践あるのみ、型とか使う訓練もあるらしいが、俺は知らん、よって二人一組で模擬戦を行ってもらう!」


と師匠が言ってきた・・・途端に周りがざわめき始めた・・・


おお、模擬戦か!!それなら俺もさっそくパートナーを見つけて一緒に・・・


「ちなみに指導はバイド先生、俺、ロイドで行う」


・・・俺も教育者になってたの忘れてたあ!というより!俺生徒と模擬戦禁止って言われてたんだっけ?!!


というよりまじで、俺が教えるの?!!


俺の剣術!!全部自己流なんだけど・・・


というより師匠から剣術なんて教えてもらった試しが無いのですが!!型なんて1つも教えてもらっていないんですが!!


「よし、二人組を作れ!!」


そんな俺の嘆きを頭で繰り返したが、何も好転は結局しなかった・・・


結局俺は、他の人が二人組を作り一通り模擬戦を行ってるのを見てその日は終わった。


・・・そう言えば、周りの生徒の模擬戦を見ていたが申し訳ないが俺の赤ん坊時代より弱いくらいだったのだが・・・まさか、あれが生徒の本気じゃないよな・・・


もしかして、俺・・・校長先生を倒した時から疑問に思っていたのだが、魔族の平均基準値って思っていたより低い・・・?!


・・・いやいや・・・上級生になると他の人はすごいレベルアップをするのかも知れない・・・校長先生だって、きっと、試験の時はかなり手加減をしていたのに違いない!!


だけど・・・あれって本当にやられた演技をしていたのだろうか・・・・どう見ても、全力だったような・・・


悶々しながら、次の呪文学の為に教室に戻ると・・・そこにはジェニーが居た・・・ってえっ?!


何で?!!俺の教室に居るの!!!しかもそこ!!教壇だし!!


俺の学園生活が今、始まろうとしていた・・・・

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