今度は土星のエンケラドゥス

第一話 再び発進ビューティーファイブ

「スパーコメット号発進。ビューティーファイブ、アーゴーAre Go


 三谷司令の号令でスーパーコメットが動き出す。


 ビューティーファイブのメンバー五人はそれぞれの自分の席へ着いていた。隊長の田中義一郎。副隊長の相生香織。航海士の綾川知子。有原羽里。そして操舵士の黒田星子と補助アンドロイドのララである。

 

「進路クリア。障害物はありません」


 羽里の言葉に頷く義一郎。


「ワープ準備に入る。ララ、どうか」

「航路算定ハ終了シテイル。問題ナイ」

「うむ。第一船速まで加速。30秒後にワープだ」

「了解。ブリッジ内、対Gフィールド展開します」


 香織副隊長の操作でGを無効化する特殊フィールドが展開する。ブリッジ内がピンク色の力場に包まれた。


「機関出力上昇中。80……90……100」


 羽里が数値を読み上げる。


「ワープ20秒前。黒子大丈夫か?」


 義一郎の問いに黒子が答える。


「ララちゃんがいるから問題ありません」

「私ガ長期メンテナンスニ入ッタラドウスルツモリダ」

「その時は一人で頑張る」

「私もいるから問題ないわ。ララちゃん」

「ソウダナ」


 知子の一言に頷くララ。今日は何故か毒舌が鳴りを潜めている。

 

「ワープ10秒前、9……8……」


 知子のカウントダウンが続く。


「あ、ヤバイ。緊張してきちゃった」

「大丈夫ダ。私がついている」

「うん。がんばるよ」

「3……2……1……」

「ワープ開始」

「行っけえ~! エンケラドゥスまで!!」


 知子の合図で異空間に突入する。ブリッジ内の空間は虹色に光り輝いている。


 今回の目的地は土星の衛星、エンケラドゥスだった。

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