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「何のつもりで扶桑に報告させたのか。理由を聞かせてもらうぞ、
『何のつもりも。
「物は言いようだ。まったく、信用するに足る者が少なすぎる。今の同盟軍は……」
『おかしな物言いですね大間風 二四三大佐。
艦長室で椅子に座りながら立体投影されるコンパニオンのような恰好をした。
桃色の髪に無機質な顔の女性、扶桑と同じく
どこか殺意の篭った視線だった。
「まさに物は言いようだ。貴様が言うと特にそう感じる。
『本当に
「嫉妬かね?」
『ふふ。それもまた物は言いようです。少なくとも
「ふん」
大間風は苛立ちながらも悠然と八意を見据える。
上位種族の中でも
その叡智。今、大間風の眼前にいる明らかに
だが同時に桁外れの演算能力を駆使しても他者を思い遣るという思考に至らない八意が、扶桑の抱えている重大な不安要素を刺激しないか不安だった。
情報生命体でありながら、有限の知的生命体と同じ病を患った扶桑を大間風は案じていた。
『さて、今回も無茶をされましたね?そして驚きです。
「ふん。行くか行かぬのなら行くまでよ。今は潰えた皇国海軍の誇りだ」
『そう、でも扶桑は
「気に入らんな、貴様の物言いは」
『ふふ。では続きは基地で』
大間風の睨みなど気にする素振りも見せず八意は、まるで蛇に睨まれた蛙を憐れむような目でどこかを見る。
『本当に起こる筈の無い
「貴様!」
『おお、怖い怖い』
大間風が怒鳴ると同時に八意は<オモイカネ>との通信を切る。
一人、艦長室の椅子に座る大間風は深く椅子に座り直すと、吐き出すように呟く。
「貴様のような戦後生まれには分からんさ。あの地獄を知らん貴様にはな……」
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