その2

「わあ、あれがパーマストン・パークとかいうところですか?

 ホントに、広いお屋敷ですねえ」

「あら貴女、子供みたいにはしゃがないでほしいのだけど」

 黒髪の侍女のはしゃいでいることを、グレアム夫人がたしなめている。

 しかし、侍女のはしゃぎようもわかる。

 というのは、パーマストン・パークその周囲の建物に比べると、格段に大きいお屋敷なのである。

 彼女たちは、古い小型車に乗っていて、そこからパーマストン・パークを眺めている。

 確かに、目の前にあるのは、由緒正しい大豪邸なのだが、到着後に侍女の抱いた印象は一変する。

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