後日譚

 捜査一課といっても、犯罪捜査するのは一課だけなんだぜ」

 タカシが訳知り顔で、そう亜季に講釈せつめいしている。

「二課が対諜で、三課が内部監査」

「へえ、そうなんでありますか」

「そんで、一課の中でも、一係は個人が犯す犯罪、二係は組織犯罪と、でもまあ人手不足になるから、ここで三係の出番となる訳だ。三係はいわゆる遊撃隊で、とにかく一係や二係の手の回らないところを全部やる訳だ」

「はあ、だから係長とわたしたち二人くらいしかいない訳なんですね」

「ああ、十人くらいいるはずなんだけど、後はロムさんくらいかな。まああの人はしょっちゅう問題起こすし、古株だから係長の身近にいて色々やってる感じだね」

と、ちょうど通りかかったロムが、崇の後頭部をパシンと叩いた。

「いてっ」

「うるせえぞ、人の噂話するなら、聞こえないとこかでやれ」

「はあい」

 亜季は、二人のやり取りに苦笑しながら、こう聞く。

「ロムさん、どうしました?

係長に呼ばれてたみたいですけど」

「ああ」

と、ロムはこう返す。

「また、パーマストン・パークに行けってさ」

「へぇ、そうなんですか。いってらっしゃい」

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