たかが画面の奥底に

目玉があるなんて考えもしないだろう

たかが動く絵文字に

人がチマチマと書き綴っていると考えもしないだろう

たかが、たかが、と言いながら

手を繋ぎながら、手を離された人間が

電子が何も思わないと考えているのだろう

一生の隷属と一生のお立ち台の差が見て知れる

嫌なら、やってみろと誰かが言う

そういうことじゃない

ただ文句が言いたい、ただ気持ちいい事だけしたい

鬱憤をため込むなんてアホらしい

でも自分に自信がないからリーダーに丸投げしてやる

お立ち台に立っている人には石を投げていいと

誰も彼もが思うのだ

どうせ一生、生身で会うわけではないし

復讐される訳もない

せせら笑い、お立ち台を蹴る

自信がないから下を向く

画面を見る

その奥の奥に、お立ち台のいる人の顔を見ない

悲しんでいるのか、怒っているのか、道化を演じるか

お前を追い詰めてやる、どんな顔をしているのか

目玉はいつだって上からお前を見ている

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