第2話 主人公は話し合う1

「後はそうですね、世界の住人として種族的なものとか?」

「レベルとかはあるんですか? 所謂(能力)ステータス的なものとか」


ファンタジー世界なのだから、妖精や亜人なども当然いそうだと思った。


『その辺の説明は、授けた固有スキルユニーク「ヘルプ」でいつでも参照出来るわ』


【ヘルプ】と口に出して言わなくても、「ヘルプ」と考えるだけで使えるらしい。

この世界にまつわる、ガイドブック機能。

それは便利なスキルを授かった。


早速使用してみると、やはり想像していたようなエルフや妖精・獣人などがこの世界で存在しているみたいだ。

俺のいた元の世界の犬や猫などの普通の動物などもいるようだ。


種族差別などはそこまで酷いものではなく、宗教は「主神ララフェル」様を信仰する『女神教』が広く信仰されていて、小さい村にも必ず教会が建てられているくらい。


孤児院なども女神教が主導で運営しているそうだ。

想像してたより、優しい世界だな……。


そう言えば大切な事を忘れてた。


「ここで設定決めたら、赤ん坊からスタート? このままで?」

これは聞いておかなければ。


『そうですわね、そのままスタートでもOKですわ。赤ちゃんスタートも出来るわ』


赤ちゃんスタートは無いな。

自由に1人で動けるまでが暇過ぎるだろう。


「キャラデザはどこまでOK? 性別とか変えても?」

「もう修羅場とか勘弁だし、何か良い方法無いかな?」

とザックリ相談してみる。


『そうですわね、その辺も自由に変更していいわよ』

『いっそ性別も何も関係ない魔法生物みたいな(笑)存在にもなれるわ』


とかサラッと言われて俺は驚いた! うおお、マジですか。


『魔法生物は、スライムやゴーレムとか種類も色々あるけれど、魔力などを補充すれば、そもそも寿命とは無関係。性別も無いと言うのかしらね。貴方にはかえってそれが良いのかしら?』


……なるほど。それは大変魅力的。寿命は関係無しで性別自体が無い!


だがしかし! スライムでは困る。普通に街で暮らせないでは!?

見敵必殺S&Dされちゃいそうだ。僕はもう死にたくない。

人間型のゴーレムもダメだな。


「そうすると、この世界では人造人間ホムンクルスとかって存在はどうなってます?」

ホムンクルスなら、ほぼ人間だから問題ないかもしれない。


元の世界の、クローン問題みたいに禁断とされていたり、寿命とかが短いとか。

それらが問題クリアされているなら、ワンチャンこれがベストかもね。


『なるほど、それもありましたね。それならがあるわよ? 特殊なホムンクルスと魔法生物を融合させて、新種の人造魔法生物ホムンクルスライムも可能よ。例えば特殊なホムンクルスと、特殊なスライムを融合すると、限りなく外見は人型でありながらもスライムの特性を併せ持ち、魔力供給さえ出来れば明確な寿命も無く、病気などもかからない。外見や性別も自由自在。ただ自然繁殖は出来ません。ユウトさんにはピッタリかも知れませんね(笑)』


そんな存在が許されるのか? 思い切り反則チートじゃないか。

……しかし俺には願ってもない事だ。


パーフェクトですよ女神様ララフェさま

パチパチパチ。心の中で湧き上がる本気の拍手をする俺がいた。


そうなんだ。俺はそんな存在を求めていたっ!


寿命無し、外見性別自由、限りなく人型、繁殖無し。

病気とかもしないミラクルボディ。最高だなこれは。うん、もうこれにしよう。


人造魔法生物ホムンクルスライムキミに決めた!」

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