第3話 主人公は話し合う2

「じゃあ、種族はその新型人造魔法生物ホムンクルスライムで」


女神様に映して貰った、自分の簡易的キャラ画面を見ながら設定していく。


「とりあえずの外見年齢は、ベースは今の俺のままで。」

「多少女性っぽくはしておくかな? 性別も一応女性にしとこ」


そしてヘルプを起動、自分の名前を参照しステータスを見る。


カルマ値(累積)はゼロ。これはこれから+に増やしていこう。

やたら高い初期能力値。

そして便利な種族特性が揃っている。


「コレを選んでやはり間違いは無いな!」と俺は確信した。


固有スキルは「ヘルプ」のみだ。

種族が反則的だから、他には所謂チートスキルなどは無し。


俺最強とか、世界征服とか興味無いし。

第二の人生を始めて、すぐ死ぬような弱さでも無いなら充分かな?

概ね不満はない。


新型の人造魔法生物ホムンクルスライムは、

そもそも外見など自由に「擬態」出来た。

今回は素材とした人型ホムンクルスをベースとしているので、

基本的な骨格などはあるが、実際は全身ほぼスライムボディであり

内臓などは存在せず、腕なども伸縮可能。

ある程度の変形までが可能だったのには驚いた。


人間の三大欲求も一切無し。だから食事や睡眠も不要。


しかし食事も睡眠も全く取らないのは、おかしいって思われ問題になる。

その辺は上手くやろう。


ホムンクルスの特性の「学習」という適応能力もある。


感覚的なもので言えば、味覚などはあるので、食事などを楽しむ事は出来る。

このボディの、活動エネルギーを食事により吸収も出来るみたいだ。


睡眠や休息自体は、ボディのメンテナンス自己再生も含めて意味はあるらしい。


生理現象も起きないので、トイレやお風呂なども一切不要だけど、

元の【ルフラトス】生活でも、俺はお風呂が大好きだから入りたいよね。

温泉なども、この世界にもあるようだ!


早くこの世界で生きてみたい。ちょっとワクワクしてきた。


とりあえずの着る物とか、当面の生活費を女神様からちょっとだけ頂いた。

だってコレが無いと、色々不便だからね? ゼッタイ間違いない。

甘えではない(キリッ


あくまで、この世界で自由に楽しくのんびり暮らす、を前提に女神様と相談して決めていく。


目標は『悠々自適な異世界スローライフ』を目指すって事。


『ここまでしてあげたのに、悪事働いたら天罰ドーン! します(笑)』


などと、女神様に軽い感じで言われた。


「勿論ですよ~」と軽く引き攣った笑顔を俺は浮かべながら

(カルマは絶対プラスに増やしていこう)と固く誓う。


テンバツアルヨ?


まずは人口の多い適当な街の近くに転移させて貰い、

そこでまずは普通に暮らしてみる事に決めた。


人口の少ない村なんかだと、目立つしプライバシー詮索とかさ?色々面倒だからね。


人が多い場所に紛れれば、ちょっと変に思われても何とかなるだろう。

たぶん


木の葉を隠すなら森の中~ってね(笑)

よく言うじゃないか。


慣れてきたら、この世界を旅してみたりも良いなぁ。


こうして俺の、いや異世界スローライフはスタートしたのだった。

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