第2話
何故僕が彼の授業が気に食わないか、それは女子学生を軽蔑し、時に侮辱するからである。日本人男子は誰しも男尊女卑的な一面があると一説では言われるが、彼のそれは異常であった。
先ず、生徒会役員のロングヘアーー(名前は覚えていない)。数学の教科担任は彼女に執拗に挙手を求める。特に難しい問題となり、誰も挙手をしない盤面では決まって「(ロングヘア)君、君はこれが分かるだろう。何故挙手をしない。」と口端を引き攣らせて言う。彼女がこれに「分からないから手を挙げていないのです。」と答えると、「君は生徒会の役員に1年生から抜擢された優等生であるはずだ。何故予習をして来なかった。私の授業は手を抜いても良いと考えているのか。」「先生」「もしくは女性ということで優遇された。男子生徒を誘惑し本来適任の生徒を押し退け生徒会役員に抜擢させた違うかね。」
こう続くのである。生まれてこの方フェミニストである僕は耐え難い憤りを感じた。
彼の言い分だけでも充分不快なのだが、私がそれ以上に不快なのは彼を肯定もしないが否定もしない愚かなる同級生達である。このような男尊女卑的な言い回しは優等生を対象にしている訳ではなく、女子生徒全員を対象として行われる。それにも関わらず彼に前述した理由で心酔する生徒は存在し、「(数学の教科担任)は学の高いお方だ。」等と聞いた時には呆れて物も言えなくなったのだが、このような生徒の割合は約一割程度なのであるからもう大変である。最早私の周りには敵しか居ないのではないかという妄想に駆られる。日本人は実にーー僕を含めーー醜い。
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