第13話 割礼からの解放

10代の半ばから40に近づくまで、僕の周りは一貫して、僕がいわゆる「大人になる」ことを望んできた。あらゆる年代のあらゆる顔が、目で口で表情で、僕のほころびを探し、僕の前に突きつけた。 社会化という名の「割礼」を僕のまだ柔らかい心に刻みたがった。


ふしぎなことに、年の離れた人々より、同じ年の人々からその圧力を最もつよく感じ、だから僕は同じ年の人々から、つねに疎外を感じ続けてきた。


今になってやっと、その圧が弱まる気配がする。周りが変わったわけではない。外ばかりでなく、内へと向かう年代に漸く僕が入り始めてきたのだ。


やっと僕は、自分自身になれる時と場を得た。

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