第8話 グリム童話-王女とカエル-
みにくいカエル。
少女の幼く潔癖な貞操観、異性への嫌悪の男性的シンボル。しばしば竜の前身。
そのカエルがある感情的作用を触媒にハンサムな王子へと変わる。コペルニクス的転回
王女の珠はうつくしい抽象世界。
少女は珠を上へ宙へと舞い上げてあそぶが、珠は手からこぼれ、深い湖底へと落ちる。
あまりに世俗からはなれ「上」へと向かう王女の意識の反動。
湖底に落ちた珠を取り戻す約束。
王女は、カエルを家に入れ、共に食事はし、同じベッドで寝ることを夢中で約する。
もちろん全ては象徴的な次元の話。王女の意識は約束を否定しようとするが、アニムスである王は言う。「約束は果たされなければならない」
王女、少女的倫理感と屈辱に半狂乱になり、カエルを壁に投げつける。
今やカエルを無視できない。怒りを全身で表現。向き合い、ぶつかる。するとカエルはイケメンの王子に変わる。少女の思い込み、偏見が外れる。
感想。ここから少女まんがが始まるのでは? 「王子」に変わったカエルにどう振る舞ったらいいかわからず戸惑う少女、というモチーフで。少年少女のピュアでベタなラブストーリー。
補足 ニーチェの夢でのヒキガエルは、衝動に任せる人間の動物的性向。
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