第6話道徳と痛み

正義は完全な普遍性を持てない。立場や時期・時代に左右される、必ず相対的なものとなる。人類的正義、国家の正義、組織の正義、家族の正義、商人の正義、軍人の正義、大将の正義と兵卒の正義………等等。


また強い道徳の影には、必ず強烈な痛みがある(ニーチェ)。多くの場合、それは正義という名の棍棒で刻まれる。逆説的に、強烈な痛みを知らない人間は、強い道徳を持てない、とも言える。


そして個人にとっての正義とは、感情である。概念で幾重にも装っても、はがせばこころが顔を出す。

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