ハムルビ #2-5
【ダレカ】から二つ伸びる長く黒い影が高く振り上げられると、それがオレ目掛けて勢い良く振り下ろされた。
ずどん
鈍い音が鼓膜に響き渡る。
「ぎゃあぁあああああぁぁあ!!!」
左脇腹辺りを鈍痛が駆け巡る。
ぶちぃ
突き立てられたナイフはすぐさま引き抜かれると同じ軌跡を辿りながら、今度は肩の辺りに痛みを伴った。
「あぁああ! あぁぁ! あ、ああぁ……」
ジタバタと暴れ狂っていた腕や脚は次第に機能を失ってゆく。
ずどん。ぶちぃ、ぐちゃ。ぐちゅ。ずるり。ぐちゃ、ぬるり。ぐじゅ、ぶぢゅ。ぬろり。ぐじゅ、ぶちぃ! ごりごりごり、ごき。ずるぅ。ずちゅ、ぐちゃ。ぐぢゅ、ぶぢゅ、うぢゅ。ずる。
何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もオレに突き立てられた刃は、オレの姿を次第に肉の塊へと変えていった。
辛うじて意識があるオレが、その最後に目にしたものは【ダレカ】の満面の笑みだった。
「あとよんかいぃ〜!」
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