3話目

そんなことを思い出していると、不意に話しかけられた。

「絵美里〜!一緒に帰ろおー?」

自称私の親友の真凛だった。

「ごめんね。今日、先公に残れって言われちゃって。…」

少しの謝罪の気持ちを声に込め、全身で謝罪の気持ちをつたえる。

「えっ?じゃあ、真凛も残るー!!」

『真凛はぶりっ子』みんなそういう。たしかに。そうかもしれない。わでも、私は同時にこう思う。ぶりっ子って何?

「ううん。ダメなの。私だけって言われちゃって。…でも、大丈夫だよ。君島さんも一緒みたいだし。」

最後だけは小さくいう。確信犯だ。

「えっえーーー!絵美里かわいいそー!!あの『悪魔』と一緒なんてえ。

『悪魔』って誰彼構わず二人になったら呪うんでしょー?」

ズカズカと君島の前に歩きながら言う。

「私たちの絵美里。呪わないでね★」

バッチリウィンクを決めるとスッキリしたように席に戻っていく。

「うっわー!かわいそー絵美c」

「ウンウン。もう代わってあげたいよー!」

心にもないことを言うヤジが飛ぶ。だって、きっとみんな私が「じゃあ代わって。」と言ってもきっと代わってくれないし。まあ、いいか。私はいつもの立ち位置から言葉を発する。

「大丈夫だよー!みんな心配してくれてありがとう!!」

いつものスマイルでみんなに応える。そう、自他共に私はこのクラスのアイドルとして君臨している。

「そう?」「絵美cがいうなら…」「『悪魔』大森に手ェ出すなよ?」

私はこんなことをずっと続けてきたから信頼が強い。

「う、うん。わかった。絵mー「気安く絵美里のこと名前で呼ばないでよー!」

「まあまあ、真凛」…大森さんに出来る限り近づかないよ。」

君島の言葉の最中に真凛が言葉を挟み、私が制する。

不思議と君島の顔が少し悲しそうに目を伏せた気がした。

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