2話目

君島…君島香は、頭脳は学年TOPで、足も早い。

だから初めのうちこそ、みんなの人気者だった。私は羨ましかった。だからこそ、仲良くいようと務めていた。

しかし、趣味が悪すぎた。


1回だけ、君島の家に女子数人と行ったことがある。


そこは、真夜中に出てきそうな真っ黒な柵に不気味な洋館だった。内装は長らく掃除をしていないのかだろうか。

蜘蛛の巣でもはってあるような埃っぽさに包まれていた。「彼女」は、呼び鈴を鳴らすと出てきた。真っ黒なゴスロリを身につけて。

「来てくれたの。ありがとう!上がって!」

そんな嬉しそうな言葉とは裏腹に顔はどこか諦めていた。長い螺旋階段を上り、部屋へと案内される。所々、気味の悪い絵が飾られている。「彼女」は、ひとつの部屋の前で止まった。もしかしたら、冗談だったのかもしれない。


キィー。


「彼女」が開けた扉から気持ちがいいとは思えない音とともに言葉を発する。


「死人の間にようこそ。」


私達は、まだ幼かった。けど、体の中で確かな拒否反応を感じ、咄嗟に外へ出るために、螺旋階段を走りおりた。

それから、君島は1人になった。

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