第4話 せめて炊き立ての魚を(後編)
◆◆◇◇
僕はミランさんの後をついて、道なき道を歩いていく。
野猪から必死に逃げている時は気にも留めなかったが、森の中は昼間だというのにとても薄暗かった。天高く伸びた広葉樹が空を覆い隠しているからだ。
太陽が見えづらいせいで方向感覚がうまく働かない。景色も木々が立ち並ぶ単調なもので、これといった目印もない。慣れない人間ならあっという間に来た方角を見失って迷子になってしまうだろう。仮に野猪から無事に逃げおおせたとしても、そのまま遭難していたかもしれない。
そんな森の中をミランさんは迷わずに進む。まるで自分の庭でも散歩しているかのような気楽さ。さすがは猟師、なんという頼もしさだ。もし彼と出会えなかったらと思うと、ぞっとする。
それにしても――前を歩くミランさんの動きはどこかで見たような。無駄のない足運び。ぶれない正中線。武術的な身体運用のように思える。
「あの、ミランさんは武術の心得が?」
「いや、まったく。俺にできるのは狩りだけだよ」
嘘を吐いているようには見えなかった。嘘を吐く理由もないのだけど。でも、それじゃあこの既視感は何故だろうか?
「……あれ?」
梢のざわめきに混じって、水の流れる音が聞こえてくる。
茂みを掻き分けて先に進むと、大きな岩がごろごろ転がっている河原に出た。
「ここって、もしかして……」
さっきまで僕が釣りをしていたところじゃないか。野猪とばったり鉢合わせした時に放り出した竿と
中身は……よかった無事だ。このまま手ぶらで帰ることもやむなしと思ったが、どうやら本来の目的は果たせそうだった。
「なるほどな」
得心が言ったような響き。
「なにが、なるほどなんです?」
「ここでこいつと出くわしたんだろう?」
こいつとは、ミランさんに担がれている野猪のことだ。
僕はこくこくと頷く。
「野猪は森の中で暮らす生き物と思われがちだが、実際は水源に近いところに棲んでいる。水浴びや泥浴びが好きなんだよ。こいつはきっと、この河原で一休みするつもりだったんだろうな」
野猪が泥浴びをする場所を
「ここまで来れば出口はすぐそこだ。その前に、俺たちもちょっと休んでいくか」
そう言って、ミランさんは手頃な石の上に腰を下ろすと、さっき仕留めた野猪の解体を始める。血抜きをして、内臓を取り出すと、そのまま川に投げ入れた。
「す、捨てたんですか?」
「まさか。こうやって川の水で冷やすと肉の劣化を抑えることができるんだ。それに水が血を流してくれるから、血の匂いに釣られて他の獣がやってくるのを防いでくれるしな。さて、今のうちに薪を集めるぞ」
ミランさんの指示に従がって、僕は川岸に転がっている乾燥した流木を集めた。手頃な石を積んで簡単なかまどを作り、その中で火を熾す。
「火の番を頼むぞ」
僕にかまどを任せ、ミランさんは川に浸けた野猪を引き上げた。
ミランさんはあっという間に野猪を捌いてしまうと、合間に作った串に刺して火にかける。やがて、脂の焼ける香しい匂いが河原中に広がった。
ごくり、と喉が鳴る。
「お前も食べるんだ」
ミランさんは透明な脂が滴る串の一本を差し出した。
「え、そんな、悪いですよ」
そんなに物欲しそうな顔をしていたのだろうか。助けてもらった上に、ご馳走になるなんてさすがに申し訳ない。僕は首を横に振る。
「別に施そうってわけじゃない。猟師は食べるために獣を狩るが、狩った以上は何であれ食べるのが掟だ。森の獣たちは食べられるために殺されたのなら納得する。自分たちだってそうだからな。でも、食べもしないのに殺された時は、殺した相手を呪い続けるんだ。特に蛇は厄介だぞ。執念深いからな」
「……なるほど、供養みたいなものですか」
「言いたくはないが、俺はお前を助けるために、この野猪を殺した。だから、お前にも責がある」
そうだよな。森の常識を何も知らない僕が間違った対応をしてしまったせいで、こいつは殺される羽目になった。なら、ミランさんが言う通り、僕にも責任の一端がある。
「……わかりました。いただきます」
ごめんな、野猪。僕の血肉となることで許して欲しい。
心の中で謝りつつ、僕は熱々の肉の塊にかぶりついた。
……なんだこれ。めちゃくちゃ美味い。噛みしめるたびに口の中に広がる脂の甘みと肉汁の旨み。何とも言えない幸福感が僕を包み込む。
「どうだ?」
「ちょっと硬いけど、めちゃくちゃ美味しいです。野生の獣の肉って臭いと思っていたけれど、全然そんなことないんですね!」
「獲り立てだし、血抜きがしっかりできればこんなもんだろう」
「これで米があれば最高なんですけどねぇ……」
「あるぞ」
ミランさんは懐から何やら大きな葉っぱでできた包みを取り出した。結んである紐を解くと、麦と米を混ぜた握り飯が顔を出す。
一つ受け取って、こちらもぱくり。……やばい。涙が出そうだ。
「ミランさん、最高です……!」
「ああ。肉と米の組み合わせは最高だな」
そう言って、ミランさんは笑った。どこか愛嬌のある笑みだった。
◆◆◆◇
自然の恵みに舌鼓を打ちながら、ミランさんはいろいろな話をしてくれた。
この森には〈王〉と呼ばれる巨大な熊がいること。夏になると渡り竜がやってくること。沼貝の汁物には酒を少し垂らすと味が深まること。一番驚いたのは、僕と歳が二歳しか違わないことだったが。
聞いてばかりなのもあれなので、僕のことも話した。
「――なるほど。お前は、お師匠さんの腹を満たしてやりたくて、こんなところまで釣りに来ていたのか。いい師弟関係だな」
もりもりと肉を頬張りながら、ミランさんは言った。
「恐れ入ります」
僕も負けじともりもりと肉を
さすがに胸の件は言えなかった。野猪に追いかけられただけでも無様なのに、これ以上、この人に幻滅されるのは心苦しい。
「だが、それで命を落としては目的は果たせないし、お師匠さんも悔やむだろう。今度からは、軽率な行動は控えろよ」
「面目次第もございません……」
正論過ぎて何も言えない。僕は
「それにしても、お前のお師匠さんはそれほど貧しい生活を送っているのか。ちょっと驚いたよ。都市ってのは何でもあると思っていたからな」
それはきっと、郊外で暮らしているミランさんならではの言葉だったのだろう。
確かに都市には何でもあるし、安全だ。市壁が獣の侵入を防いでくれるし、警吏もいるから盗賊も迂闊には攻めて来ない。しっかりした流通があるから物資だって充実している。おおよそ足りないものなんて何もない。米屋に行けば米が、八百屋に行けば野菜が売り切れないほどに並んでいる。服も、薬も、本だってある。
でも、それは――
「ミランさんのおっしゃる通り、確かに何でもあります。けど、その代わり、何をするにしてもお金が要りますから」
それは全て、金があってこそだ。金がなくては食べ物も、服も、住む場所も手に入らない。安全な市壁の中で飢えに苦しむとは、どんな皮肉だろう。その外側にはこんなに自然の恵みがあるというのに。
ミランさんはこのあたりで暮らしているという。文明の香りがまったくしない森の中にいながら、僕たちよりも満ち足りているような顔をしている。彼を見ていると、人間が築き上げた都市というものの不自然さを痛感せずにはいられない。
誰もが彼のように自然の中で生きていけたら、と思う。
でも、実際はそうじゃない。人間には強い人もいれば、弱い人もいる。彼のように生きるということは、自然の摂理を――弱肉強食の理を受け入れるということ。生きるために弱い人を切り捨てるということだ。
それを否定するために人間は集団で生きることを選んだ。職業を分担し、お互いに助け合うことで、強い人も、弱い人も生きていける。それが都市だ。
ただし、その機構も完全じゃない。どうしても経済的な格差は存在する。富める者は富み、貧する者は貧する。結局、都市に逃げ込んでも弱肉強食の理から完全には逃げられなかった。だとしたら、どちらの生き方が正しいのだろう?
「人間の生き方に正解なんてないさ。善悪もな。どこで暮らそうと、何をしていようと、生きるってことはただそれだけで大変なことだ。大事なのは自分がどう在りたいかじゃないか?」
「どう、在りたいか……」
それは生き方とは違うのだろうか。
「生き方は手段じゃないか。俺たちだって生き物なんだから、どんな形であれ死ぬまで生きなきゃならない。だから、生きることは前提であって、手段でも目的でもないんだよ」
「じゃあ、在り方っていうのは?」
「在り方は生きる目的だ。俺が生きるための手段が猟師なのであって、猟師として生きることが目的じゃない。仮に猟師を辞めたところで、それで俺が俺でなくなるわけじゃないだろう。俺は俺以外になれないからな。俺が俺らしく在ることが重要なんだよ。
もちろん、生き方を選べない人間はいる。よほどのことがない限り農民の子供は農民だし、騎士の子供は騎士だ。魔法使いの才能を持っていれば、魔法使いになることを期待されるだろう。でもな、生き方は選べなくても、自分の在り方は自分で決めることができる。森で暮らそうが、都市で暮らそうが、畑を耕そうが、戦場で剣を振るおうが――在り方だけは変わらない。そこさえ違えなければ、どこで暮らしていようと、それなりに何とかやっていけるもんさ」
……生きるということは、それだけで不自由なものだ。
身分制度によって社会が成り立っている以上、生まれも、育ちも、その手段さえも個人の意思で勝手に決めることはできない。
僕らが真に自由にできるのは、自分の心の在り方だけ。誰もが拠り所としている種族や国家、民族や宗教。そういった括りから解き放たれ、ただ自己であるということのみで立脚した生き物こそが人間の本質。だからこそ、自分の在り方を決める権利を大事にしろ――と彼は言った。
ミランさんの言葉は老成した賢者のように達観したものだ。僕と二、三歳くらいしか違わないというのに、どんな人生を送ればそんな境地に到達することができるのだろう。薄ら寒くなる。まるで目の前にいる青年が人でないような、そんな錯覚に陥ってしまう。
その時、ミランさんの瞳が鋭い輝きを宿した。
ざざん、と川面が揺れた。
ミランさんが見ている方向に僕も目を向ける。
ひっと喉が鳴る。川面をせり上げて、黒い影がぬうっと近づいていたからだ。
「な、ななな、なんですか、あれは!」
手足の生えた魚。あるいは、尾びれのある
「この河川の主だ。さっき解体した野猪の血が誘ったか。失態だな。水の中までは警戒していなかった。どうやら、俺も人のことは言えないらしい」
言葉とは裏腹にミランさんは冷静だった。まるで、森の中ではこれくらいは当然だと言わんばかりに。
こちらが見ていることに気づいたのだろう。河川の主とやらは、ずん、と川べりに身体を乗り出した。ぬちゃり、と湿っぽい音がする。
全長は
「おおくちに似ているな。いや、おおくちが似せているのか。知り合いに言わせれば、こういうのを収斂だとか擬態だとかいうらしい。それにしても、これまたでっかいな」
「そ、そんなことより、に、に、逃げましょうよ!?」
「そうだな。ゆっくり後退しよう。背中を向けるなよ」
僕たちは後ずさりしながら少しずつ距離を取ろうとするが、河川の主はそれを詰めるように歩を進める。
「……腹が減っているようだな。どうやら、逃がすつもりはないらしい。向こうがその気ならしょうがないか」
ミランさんは腰の矢筒から矢を取り出すと、弓を構えた。
一射。二射。三射。
何という早撃ち。そして命中精度。一瞬で放たれた三つの矢がすべてが頭部に吸い込まれた。
「む。こいつは……」
わずかにミランさんが眉を
三本の矢が突き刺さっているのにもかかわらず、河川の主は痛がる様子もない。皮膚がとてつもなく分厚いんだ。こちらの攻撃など意にも介さず、ずん、ずんと砂利を蹴飛ばしながら迫ってくる。
ミランさんは弓を捨て、腰の革帯から短刀を引き抜いた。解体用の刃物。武器と呼ぶにはあまりに刃渡りが短い。そんなものでどうしようっていうんだ!?
「俺が合図したら走れ。背中を向けてな」
背中を向けてって、それやっちゃいけないやつじゃなかったですか!?
まさか、僕を
「頼む」
視線は動かさなまま、真剣な声音でミランさんは言った。
……いや、この人はそんな人じゃない。短い間だったけど、この人はそんな卑怯なことをするような人じゃないことだけは、わかる。
きっと、何か策があるんだ。僕はそれに賭けることにした。
「今だ!」
僕は背中を向けて走り出した。その瞬間、ふと足元が陰る。
嘘だろ、思わず振り返った。河川の主が跳んだのだ。まるで宙を舞う絨毯のように僕に覆いかぶさろうとする。
「走り抜けろ!」
だが、それ以上に目を疑った。
ミランさんが河川の主を迎え撃つように跳んだからだ。
地を滑り、空を駆けるような歩法。ここにはいないはずの師匠の姿を幻視する。
ミランさんは跳躍した河の主の下に潜り込むと、腹に短刀を突き立てた。そのまますれ違いざまに、ざっくりと皮膚を切り裂いていく。
腹を裂かれてはさすがに無視できないのか、体勢を崩して河原に墜落する。形容し難い悲鳴を上げながら、河の主はもんどりうって、のたうち回りながらあちこちに砂利を飛ばした。
……圧倒的な強さだった。
敵の状態を一目で把握し、即座に弱点を見抜く観察眼。そして、その勝機を確実に掴みとる身体能力。僕たちが学んでいる人に勝つ強さとは異なる、この世界で生き残るための強さだ。
痛みから立ち直った河川の主は、敵わないと悟ったのか、尻尾を巻いて川の中へ逃げ帰ってしまった。
「やはり、腹の皮は柔らかかったようだな。ああいう腹這いになって移動する生き物は、だいたいそうなんだよ。そういうところも似ていてくれてよかった」
ミランさんは肩をすくめて、解体用の短刀を鞘に戻した。あんな怪物を退けたというのに、何事もなかったのような表情。ここでは、こんなことは日常茶飯事だと言わんばかりに。
「……どうしてとどめを刺さなかったんですか?」
ミランさんの実力ならあのまま倒すこともできたはずだ。なのに、彼はそれ以上のことは何もしなかった。
「刺す必要がないからだ。敵わないと知れば逃走するからな」
「でも、また人を襲うかもしれないんですよ!?」
「そりゃ襲うだろ」
何を言っているんだ、と言わんばかりの表情。
「森の中では全てが対等だ。人間だけが特別扱いされる道理はない。お前はそれをさっき経験したばかりだろう」
「で、でも……」
「人間に害をもたらす生き物だったら駆除していいのか? 人間だって食べるために鳥や魚を殺すのに、人間を襲ったらそれは悪なのか? 違うだろ?
お前たちは、無意識にこの世界が自分たちのものだと思い込んでいるようだが、それはとんだ思い上がりだよ。世界は命の区別なんかしない。食われる時は、誰だって食われるんだ。俺だってそうだ。いつか、何かの糧になって死ぬだろうさ。でもそれが、これまで食ってきた命への恩返しなんだ」
僕は何も言えなかった。
食うことも、食われることも、当たり前のこと。
安全の中にいるから忘れてしまう。世界の形はずっと変わらないのに。
「……厳しいことを言って済まないな。都市で暮らしているお前に言っても、実感がわかないよな」
「いえ、真実だと思います。でも……わからないことがあります。それなら、どうして僕を助けたんですか?」
僕は弱かった。あの野猪に食われて当然の存在だった。森の中では全てが対等だというのであれば、僕を助けるのは理に背く。
「――信じているからだ。人間は変われる。過ちを認められる生き物だってな」
そう言って、ミランさんは優しく微笑んだ。さっきまでの人間味のある笑みではない。深い慈愛に満ちた神々しい顔つき。
僕は震えた。震えずにはいられなかった。まるで、ミランさんは人間ではないかのような口ぶり。彼の体を借りて、もっと大いなるものが語りかけているような――そんな気がしてならない。
「それにな」
ミランさんの表情からふと神気が消える。
「もし、あいつを殺したら、俺たちはあいつを食わなくちゃならなくなる」
「あ、はい。そうですね」
「……あの手の類はな、不味いんだ」
ミランさんは苦笑した。今度は人間味のある笑みだった。
◆◆◆◆
「――ということが、あったんですよ」
道場の庭先で魚を焼きながら、僕は今日一日のことを師匠の話した。
森の入り口まで戻った時、ミランさんの姿は忽然と消えていた。まるで白昼夢でも見ていたかのように、彼の存在は影も形もなかった。
「……あなたが出会ったのは、神様ね」
焚き火に炙られる魚から目を離さないまま、師匠が淡々と言った。
「神様、ですか」
「そう。神様を狩る神様。森の奥深くからやって来る荒ぶる神から、ひっそりと私たちを守ってくれているの」
「神を狩る、神……」
確かに、獣を神と讃える文化は未だに残っている。
だとすれば、ミランさんは正に〔神狩り〕と呼ぶに相応しい人なのだろう。
「ハイデンローザの源流がベルイマン古流だということは知っているわね」
「ええ」
「そのベルイマンにも原型はある。ベルイマンは遥かな昔、大いなる獣を倒すために編み出された技から生まれたと聞くわ。あなたがその人の動きに既視感を覚えたのは当然よ。だって、私たちにとってはご先祖様みたいなものだから」
僕が学んでいるハイデンローザ流剣術の原型の、そのまた原型。
時代の移り変わりとともに変化した技術が、古の姿のまま残り続けていたと。
……なんだか僕は無性に悲しくなった。
神でありながら神を狩る彼は、神の仲間にはなれないだろう。そして、神である以上、人の仲間にもなれない。神でなく、人でもない中途半端な存在。
神であるが故に変わらず、人でないが故に時代に取り残される。そこにあるのは、世界にたった一人だという絶対的な孤独だ。
――ああ、でも。そうか。だからか。
彼にはそういった悲壮感はまるで感じられなかった。出会ってから別れるまで、彼の周りには森を渡る涼やかな風が吹いていた。
きっとそれは、ミランさん自身が自分で選んだ在り方を貫いているからだ。時代の流れに取り残された孤独な存在であっても、その在り方に誇りを持っているから――彼の言葉を借りるならば、何とかやっていけているのだ。
ああ、くそう。かっこいいな。男として負けた気分だ。
僕もいつの日か、僕だけの在り方を見つけられるだろうか。涼やかな森の風が吹いてくれるだろうか。
「ふふ、現代まで残っているなんてどんな奇跡かしら。私も一度会ってみたいものだわ。そうだ、今度、釣りに行きましょうか」
「勘弁してくださいよ」
またあの化け物に遭遇するかと思うとげんなりする。まあ、たとえあの化け物が相手だろうと師匠であれば問題ないだろうけどさ。
他愛ない話をしているうちに、魚が焼きあがった。焦げ目から何とも言えない香しい匂いが漂ってくる。食べ頃だ。
「さあ、いただきましょうか。――焼き立てですよ」
/了
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