第17話 コーチも驚く小技
僕は 念願のジュニアサッカーチームに仲間入りできた。
すごく ワクワクして 初めてチームに参加する日が待ち遠しかった。
僕をチームに勧誘してくれた リーダー的存在の遥斗と翼、それに 浩司と友則
みんな クラスは違うけど 同じ小学校に通うサッカー少年たちは
最初は 強そうで 圧倒されたけど すぐに打ち解けて仲良くなれる事が出来た。
それにチームに参加してみると、同じクラスだった事もある
拓也と直樹や 見たことある顔が いっぱいいた。
そりゃそうなのだ。僕がこっそり練習を見に来た時に
アリの大群のような人数が 練習をしていたではないか。
100人近くの子供がメンバーなのだから、練習場に置かれる自転車の数も凄い事になっていた。
ジュニアサッカーチームには 黒沢裕人というコーチがいた。
黒沢コーチは、大学時代サッカーで凄く活躍して
期待の選手だったらしい。。。
そしてこの城北地区エリアはサッカーがとても盛んで
未来のサッカー選手を育成するために
黒沢コーチは隣町から教えに来ているんだそうだ。
そんなコーチには 初対面の時は 少し緊張したけれど
ユニコーンを買いにいった時に出会った大須拓海と似てる空気を感じた。
サッカーやってる人って みんな同じ匂いがするのかな?
そんな事を ふと感じた。
僕もサッカーが上手になったら 同じ匂いになるのかな?
そうこう考えているうちに 笛の合図がなり、
練習が始まり 僕は夢中になって ボールを追いかけた。
最初は 走りまくるという事に慣れていなかった僕は、息切れしてついてけない事も
多かったが、だんだん慣れてきて すぐに チームに馴染んでボールをパスしたり、自然にプレイする事も出来るようになっていた。
黒沢コーチには、何度も「俊、サッカーやってたんだろう?」と 聞かれたけど
僕は本当に、嘘でもなく サッカーは 初めて3か月と半月なのだ。
僕のリフティングはみんなを喜ばせたけど
チームに入って、グングン伸びたのは、ステップフェイクの技だった。
僕は、まるで過去にサッカーをやっていたのか?と自分でも感じる事があるくらい
一度なんとなくやってみると、数回練習すると出来る小技が多かった。
習得が速いといえばそうなのだが、
教わらなくても なんとなく 引き込まれるように 出来る技もあった。
僕って 本当は運動神経がいいのかな?
なんて調子に乗った考えをしてしまう事もあったけど
駆け足もそんなに速くないし、反射神経もそれほど良いとは言えなかった。
天は二物を与えず。。。
よく言ったものだ。
飲み込みは早そうだけど、それを操る体がない?
でも僕は、手品と言われるリフティングをみんなに見せるだけでも楽しかったし、
それを見たみんなが喜んでくれる姿がとても嬉しく感じた。
サッカーをみんなと楽しむ事が出来た事も嬉しかったけど
沢山の友達も出来たし、悪ふざけをしたり
ふざけっこをして服を汚して帰ったり
僕は、やっと本当の意味での小学生になれた気がして嬉しかった。
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