第12話 クリスマスプレゼントより欲しい物

サッカー観戦をした後、僕はとても興奮して その日は眠れなくて困った。

それに もう第2の揺りかごもいない。。。


水色のタオルケットは、僕の背中を優しく撫でてくれるけど

中身が抜けてしまったような、何かもぬけの殻となってしまったような感じがする。


僕は寂しさで眠れない日は沢山あったけれど

興奮して眠れないなんてことは 初めての経験だ。


玉転がしを自分がしている イメージをしてみたら頭の中が映画館のように画像が流れて止まらない。エンドレスだ。

僕は、サッカーなんてしたことないのに まるでもう選手になったかのような?錯覚を覚えた。


色々想像するとワクワクした。

どろんこ遊びは思いっきりしたことはないけれど

玉転がしをしたら、きっと泥だらけになるはず

あんなにインコさんに手間をかけるから 服は汚さないように、、、なんて

考えていた僕なのに 本当小学生っぽくない子供だ。


今から服を泥だらけにしている僕をイメージするだけで

ワクワクする。


玉を蹴るって どういう感じなんだろう。。。?

スタジアムでみた選手のように 爽快なパスなんてできたら最高だろうな~。

大きなロングパスやシュート、頭で玉を受け取るような事もミツバチさん達は

軽くやってのけていた。カッコいい!

考えただけでワクワクする。

まるでクリスマスを待ちわびている子供のようなのかもしれない。


僕のクリスマスプレゼントは 毎年、本だった。

もちろん 僕のリクエストだし不満はなかった。


ただ、ワクワクするような待ちきれない気持ちを抱く事はなかったから

こうしてサッカーに夢中になっている自分がとても楽しいのだ。


そんな事を考えているだけでワクワクするのに

ボールを買いにいく時に 驚くような出会いに会うなんて

そのころは、夢にも思わなかった。

いや、その出会いの時にも まだ本当の意味は


まだ理解できていなかった。



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