第7話 ミント栽培

僕のお母さんは 自宅のお庭に ハーブとか野菜とか 栽培のような事をしていた。


バジル、シソ、ミントなど色々な葉っぱが庭には沢山咲いていた。


それらは ミニトマトやきゅうり のような野菜が食卓に並んだり

お茶にいれる葉に使ったり、パウンドケーキの中に入れたりして出てくる事もあった。


お母さんはいつも言っていた。

「ハーブは虫よけに良いのよ。俊は皮膚が弱いから これを使いなさい」


といって ミントとアルコールで作った 虫よけの液体のような物をよく作ってくれた。


お母さんが作ってくれる ミントの入った瓶は 

透き通る青いガラスの小瓶だった。


その瓶は 透明に透き通った色をしているので

瓶を動かすと 中身がトロリと動く様子を見る事ができた。


これは 僕はとても大好きな香りで どこか懐かしさを感じるような

居心地がよくなり とても落ち着く香りだった。


前世は虫ではないな。。。

虫が嫌いなミントを 僕は好きなのだから。。。


ミントの香りは 好き嫌いがはっきりしているような印象もあるし

ミントが好きな人は 頭がすっきりする リフレッシュに使う


という人も多い。。。


でも 僕は違うのだ。

この ミントは 僕の事を優しく包んでくれる まるで揺りかごのような存在に感じた。


なので ミントの瓶に入った液体が 残り少なくなってくると

僕は とても焦りのような寂しさを感じて お母さんに

次を早く作ってもらえるよう ねだるようにまでなっていた。


僕にとって 「数字」と「ミント」は かけがえのない存在になっていた。


僕は、よく庭に出て ハーブの香りに包まれるのが好きだった。

特にミントの近くにいくと とても居心地がよくて

たまにミントの妖精でもいるのではないか?と思うくらい

ミントの妖精を妄想したりして 楽しんでいた。


でも ミントの妖精は僕と同じで 恥ずかしがりやさんなのか?

姿を見せてくれたことは 一度もなかった。


でも秋が終わる頃になると ミントの収穫が終わり 庭にミントがなくなってしまうので

とても寂しい気持ちになった。

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