「永」

昔からあいつと俺はいっつも言い合いばっかしてた。腐れ縁というやつだ。

「いえーい!私の勝ちー!ジュース一本おごりね!」

90点と高得点なテストを彼女は惜しげも無く見せびらかしてくる。

「くっそ……仕方ない」

対して俺は80点。普段なら踊り出すほどに喜ぶだろうが、負けてしまっては、意味がない。

それから財布が圧迫されることを恐れながら、残りの授業を終えた。

放課後、俺達は一緒に帰路についていた。家が隣で帰宅部な俺達は当然のことながら一緒に帰らなければならなかった。

「ねぇ、早くジュース奢ってよ」

自動販売機の前で立ち止まる。

「仕方ない……」

財布の口を仕方なく開けて、ジュースを買って投げる。

「さんきゅ!」

その顔は今日で一番の笑顔で、暗い何かが取り憑いていても一瞬で浄化されてしまうよう程に明るかった。

この笑顔を見るたびに、早く腐れ縁なんてものから抜け出したいと思う。

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