「気」

昔から細かいところまで気にしちゃうのが癖だった。それが良い時もあるし、悪い時もある。

例えば、落ちてるゴミを拾ったり、次の授業が始まっちゃうのに黒板が消えてなかったら消したり。

逆に細かいところまで気にしすぎちゃって面倒がられたり。いうなればこの癖は私の80%くらいを形成しているといっても過言じゃない。

私はこの癖があまり良いものとは思えない。だからそれで形成されている私もそこまで好きじゃない。

「あ、ゴミ落ちてる」

一度見かけちゃったら拾わずにはいられない。

「ねぇ」

後ろから声変わりをもう迎えたのであろうちょっと低い男の子の声がかかる。私は腰を下げた状態で振り向いた。

「いつもゴミ拾ってくれたり、黒板消したりしてくれてるよね。ありがとう。今度黒板消す時手伝っていいかな?」

男の子は人懐っこい笑顔でそう言った。

「あ、うん」

ちょっとキョドッてしまったけれど、ちょっぴり私のことが好きになった。

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