第68話 振り子になったボク

「 振り子になったボク 」


こんな糸のようなものでつながれて

つまり真下という方向に行けないんであって

そちらという方向に行けば

行きつくところでまた

引っぱられ

戻り

あちらでは行きつくところで

また背を引かれる

糸がのびないから行けないのだ

アメとムチのアメのようにどこまでものびて

 くれれば

こんな風になることもないのだ

この運動は永遠でしてね。

だってあなた真下に引っぱられるから反対の

 ちからが釣りあっていますもの。

誰があなたをこの空間に投げだしたかって。

その誰かをお怨みなさって。

炎のようにいつまでも。

ボクの腹と背はいましがたもきらりとひかる

そちらとあちらを往復し

速さは糸の長さだなんて

どこからどこまでも決めたのはあなたみたい

 だといっても誰でもないあなた

ボクと糸あとはつまりそれはあなたと繋ぐ


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