第67話 bird city

「 bird city 」


 そういえばクアラルンプールの国際空港に

着いたときには、夜も遅かったはずなのにず

いぶんとたくさんの鳥たちが、空港の街路樹

で鳴いていたっけ

 ボクを迎えにきてくれたひと、といったら

はじめて会うひとだった、けれど、ボクもひ

とりで向こうもひとり

 鳥たちはずいぶんとたくさんいて

 こんなにもおおきな地球の表面に沿って(

そう思い込んでいるだけかもしれない)南へ

南へとやってきたというのに(地球が自転し

ていることもわかっていない)

 迎えてくれたのはたくさんの鳥たち

 違う、いや

 鳥たちの鳴き声嫌いじゃない声

 だけどどこか落ち着かない声

 きみたちが落ち着いていないからだよもう

眠ればいいのに夜なんだからわかるかな

 無理なんかしていないと彼らは言う、に決

まっている、オレたちのことはオレたちが決

める、だからそれでいい

 ボクはあんないのひとに連れられてやがて

タクシーに乗る、行き先?ホテルに決まって

いるじゃないか

 バードシティにはいっていく

 タクシー乗り場はこんなに遠かったっけ?

 羽根をたたむ場所は用意してある?ねえも

う眠いよバードシティ

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