第48話 風切羽

「 風切羽 」


すごいですね、風切羽って言うんでしょう?

読んでいるうちにはじめて知りました

翼を、振り下ろすときに空気を押し返し、持

 ち上げるときに空気を逃がす、

知りませんでした、あの厄介者の空気を手懐

 けるなんて

このまえ車を運転しているときだったです

田んぼの上を同じくらいの速さで

ツバメさんが横を行くんですね

あんなに小さいのに、速い、

どうしてこんな速さで行けるんだろうって、

 感嘆して

それからね

まえにオオワシさんに逢ったんです

網の向こう側だったですけれど

すぐ側にいてくれたんですよ

嘴が黄色くてでかくて

恰好よかったですよ

なんでも凍った湖に漁で余った魚を撒くと

最初はカラスで、次にトビ、そしてオジロ

 ワシ、最後にオオワシさんが悠然と舞い

 降りてくるらしいですね

知っていたらなあ

左右にひろげた風切羽をしっかり見ておき

 たかったと思います(遠い思いの話しで

 す)

風を切る音ももしか聞こえてきたかも知れ

 ませんね

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